ティモシー・シャラメほか豪華ゲストが登壇!『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』ワールドプレミアの様子を現地レポート
ティモシー・シャラメが若かりし日のボブ・ディランを演じる『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』(2025年2月28日公開)のワールドプレミアが、ロサンゼルスのドルビーシアターで行われた。プレミアにはジェームズ・マンゴールド監督と主演のティモシー・シャラメのほか、ディランの恋人シルヴィ役のエル・ファニング、フォークシンガーのジョーン・バエズ役のモニカ・バルバロ、ピート・シーガー役のエドワード・ノートンとシーガーの妻を演じた初音瑛莉子、ジョニー・キャッシュ役のボイド・ホルブルック、ウディ・ガスリー役のスクート・マクネイリーらが出席した。
サーチライト・ピクチャーズ社長のマシュー・グリーンフィールドが監督のジェームズ・マンゴールドを舞台に呼び込むと、会場は大きな拍手に包まれた。マンゴールドはキャスト一人一人の名前を呼び、「私たちはみんな、この映画を作ることをとても楽しみ、お互いが大好きになりました。また一緒にやりたいと思います。みなさん映画を楽しんで、道の向こう側で会いましょう!」と挨拶した。マンゴールド監督が“道の向こう側”と言ったのは、上映後のレセプションが、ドルビー・シアターの前にあるハリウッド大通りを封鎖し作られた特設会場で行われるからだ。
『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』は、1961年にギターを片手にミネソタ州からニューヨークにやってきたボブ・ディラン(ティモシー・シャラメ)が、様々な出会いを経て稀代のスターになっていく様子を描く。先ごろ発表された第82回ゴールデン・グローブ賞では、ドラマ部門作品賞、主演男優賞(ティモシー・シャラメ)、助演男優賞(エドワード・ノートン)の3部門にノミネートされており、年明け早々の授賞式、そして第97回アカデミー賞のノミネーションにも期待が寄せられている。
奇しくも、プレミアが行われたドルビー・シアターは毎年アカデミー賞授賞式が行われる会場。映画のプレミアに使われることは多くないが、12月9日に『ライオンキング:ムファサ』、12月10日に『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』と、ディズニー作品のプレミアが続けて行われていた。特設レセプション会場には、ディランにゆかりの深いギターやバイクなどが展示され、60年代のグラマラスな雰囲気を再現していた。プレミアには映画のキャストのほか、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』の監督デュオのダニエルズ、ゲームクリエイターの小島秀夫、女優のズーイー・デシャネル、俳優のケヴィン・ベーコンと妻で女優のキーラ・セジウィックらも参加していた。
今作でボブ・ディランを演じたティモシー・シャラメは、劇中のパフォーマンスをすべて自演で行っている。ギター、ハーモニカ、歌の練習に5年間の準備期間を費やし、偉大なミュージシャンで、歌手として初めてノーベル文学賞を受賞したディランを見事に演じて見せた。人気・実力ともに若手俳優のトップランナーであるシャラメの新たなる代表作となることだろう。シャラメはロサンゼルスのプレミアで、レザージャケットのポケットに“Bob Dylan”と描いたサングラスを差して登場。12月13日のニューヨーク・プレミアには、髪をブロンドに染めて、2003年の映画『ボブ・ディランの頭のなか』(ラリー・チャールズ監督)のプレミアでサンダンス映画祭に出席した際のボブ・ディランそっくりの格好で現れた。これからのアワードシーズン、独特な彼のファッションにも注目が集まっている。『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』は、2025年2月28日に公開予定。
文/平井伊都子