遺体安置所が舞台の“最も恐ろしいヨーロッパ映画”が30年ぶりに復活!タブーな題材に怯まずに観ておきたい理由
“最も恐ろしいヨーロッパ映画”としてマニアの間で語り継がれてきたデンマーク映画『モルグ 屍体消失』(94)。この北欧カルトホラーが30年の時を経て、デジタルリマスター版として復活。1月17日より日本でも公開中だ。
キワモノかと思いきやふつうにおもしろい!公開当時も世界が絶賛
デンマーク本国では、映画が公開された1994年の興行成績1位を記録したものの、日本では1996年に公開されて以降、長らくVHSでしか観ることが叶わなかった本作。
夏休みの間、病院で夜警のアルバイトを始めた法科学生のマーティン。深夜に病院内を見回るだけの簡単な仕事のはずだったが、前任者からモルグ(遺体安置所)でかつて警備員が死体を犯すという事件が起きたことを教えられ、異様な恐怖を感じるようになる。
そんな矢先、世間を騒がしている皮剥ぎ猟奇殺人の被害者女性の死体がモルグに運び込まれたことをきっかけに不可解な出来事が起き始め、妄執に取り憑かれたマーティンは、ウォーマー警部から屍姦の疑いをかけられることに…。
モルグを舞台に、ネクロフィリア、皮剥ぎ猟奇殺人…という超ド級のタブーを扱う本作。皮を剥がれた死体の描写や「ここで働くと口が臭くなる」と奇々怪々なことを語り、息を吹きかけてくる嫌悪感MAXな人物など、映画全体に不穏な空気がムンムンと漂っている。
これだけ聞くとキワモノ映画かと思ってしまうかもしれないがご安心を。マーティンは狂っているのか?というニューロティックなサスペンス要素と、なにか起こるのでは?とスリルを掻き立てるホラーのエッセンスが有機的に絡み合っており、物語としての見応えも抜群だ。
さらにはモルグの無機質な冷たさが伝わってくるような美的センスも独特で、カンヌ国際映画祭の批評家週間への出品をはじめ、各国の映画祭で数々の賞に輝いたことも納得の1作だ。
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