大泉洋&長尾謙杜の魅せる“師弟の絆”に「少年漫画好きならハマる」と太鼓判!大友しゅうまが『室町無頼』を描き下ろし漫画と共にレビュー
「長尾謙杜さんのお芝居に心を掴まれた」
そして大友が「心を掴まれた」と語るのが、才蔵の成長だ。餓死寸前だったところを生き延びた才蔵は、兵衛と出会い、彼に憧れ、その生き様を追いかけていく。
大友は「最初は兵衛目線で映画を観ていたんですが、次第に才蔵に感情移入していきました。才蔵と同じように、兵衛に憧れるような目線で一緒に熱くなりながら観ていたように思います。一番好きなキャラクターですね」と打ち明け、「登場シーンの才蔵は、真っ黒で汚れています。髪の毛もボサボサで、暴れまくる“やんちゃな少年”といった印象でした。それが兵衛と出会ったことで、どんどん“青年”として成長していく。本当にかなりの年月が経過しているんじゃないかと思うくらい、才蔵が違った表情を見せている」と感心しきり。
とりわけ胸が躍ったのが、「才蔵の修行シーン」だという。兵衛に見出された才蔵は、兵衛の師匠でもある棒術の達人、唐崎の老人(柄本明)のもとで厳しい修行に励んでいく。「琵琶湖で水の上に立たされた才蔵が木の板に杭を打ったり、あちこちから襲いかかってくる無数の刃物を避けたりと、独特な修行方法ばかりでものすごくおもしろかったです。どこか昔のスポーツ漫画のようで、ワクワクしました」と熱っぽくコメント。
「前情報を入れずに映画を観たので、最初は才蔵を演じているのが『なにわ男子』の長尾さんだと気づきませんでした。感情があふれ出して叫ぶシーンなど『この役者さん、めちゃくちゃお芝居がうまいな』と思いながら観ていて、だんだん『あれ、まさか…。これ長尾さん?』と感じ始める瞬間もありつつ、エンドロールで名前を確認して『マジか!』と(笑)。少年らしさを表現するのもお見事で、本当に驚きました。新鮮な長尾さんの表情を目にした気がしています」と賛辞が止まらない。
兵衛と才蔵が結んでいく師弟関係には、「カッコいいものが詰まっていた」とも。「才蔵は師匠の背中を追いかけ、兵衛は才蔵に生き様を示していこうとする。才蔵が兵衛から受け継いでいくものまでが描かれていて、これは熱い展開だなと思いました」と興奮を口にし、「道賢も、信念が通ったキャラクターでカッコよかったですね。クライマックスで道賢が兵衛に見せた表情もすばらしかった」と兵衛を中心に紡がれる男たちのドラマに胸を熱くしていた。