“韓国三大心霊スポット”を徹底調査!コンジアムやヌルボムガーデンの都市伝説、真相は?

コラム

“韓国三大心霊スポット”を徹底調査!コンジアムやヌルボムガーデンの都市伝説、真相は?

恐怖体験談が後を絶たない「ヌルボムガーデン」

そして、まもなく日本公開を迎える『ヌルボムガーデン』の題材となっているのが、韓国の内陸の忠清北道堤川市、中央高速道路から見える場所にたたずむ曰く付きの建物「ヌルボムガーデン」だ。

韓国内陸の町に実在するヌルボムガーデンには、いくつもの怪談が語り継がれている
韓国内陸の町に実在するヌルボムガーデンには、いくつもの怪談が語り継がれている[c]2024 BYUS ENT & JNC MEDIA GROUP ALL RIGHTS RESERVED

経営者夫婦とその娘が暮らしていたが、事故で娘が亡くなり、父親はショックで首吊り自殺。母親もなんらかのかたちで命を落としたという話もあれば、重い障がいを抱えていた娘が亡くなり、母親と従業員が事故で亡くなるという不幸が続いたことで父親がガス自殺をしたという話もある。いずれも2000年代後半になって、インターネット上に投稿された都市伝説だ。それに便乗するように、店を訪れた客が不審な黒い影を見たという話や、存在しないはずの従業員に注文を聞かれたなどの体験談も数多く寄せられている。

かつては「ヌルボムカルビ」という名のレストランで、経営者家族も同じ建物内で生活していたといわれている。そもそも立地が畑の真ん中ということもあって利用者は決して多くなく、2001年に店のすぐ近くに中央高速道路が開通したことで、この周辺一帯は通過されるだけの町となり売り上げが激減。そのせいで廃業したという説が有力だ。また、心霊スポットとして注目されるようになってから、かつての経営者が一連の噂を否定したこともあった。

新たな店がオープンしてもすぐに廃業する、呪われた建物にはどんな曰くが…?
新たな店がオープンしてもすぐに廃業する、呪われた建物にはどんな曰くが…?[c]2024 BYUS ENT & JNC MEDIA GROUP ALL RIGHTS RESERVED

しかし2010年代に入ってようやく建物の買い手が見つかるのだが、新たにオープンしたカフェも数年で廃業。新オーナーが悪霊に取り憑かれて自殺したという噂が流れるようになる。また、次に買い取った人も数年で店を畳み、2020年に新たにオープンしたビュッフェ形式のレストランも昨年夏に廃業している。ここまで続くと、単に立地の問題以外のなにかがあるのではないかと考えたくなるが、はたして…。

この“呪われた建物”を舞台にした映画『ヌルボムガーデン』は、夫が自ら命を絶ったショックで流産してしまった主人公のソヒ(チョ・ユニ)が、夫が生前に購入していた郊外の邸宅を相続することから始まる。“ヌルボムガーデン”と名付けられたその家に移り住むが、まもなく奇怪な出来事が続発。ある夜、家のなかで亡き夫の姿を目撃したソヒは、彼が自殺した理由を探りはじめ、ヒョンジュという名の地元の女子高生にたどり着く。しかし彼女も数か月前に失踪しており…。


“動きのある表現”を意識した恐怖描写に注目
“動きのある表現”を意識した恐怖描写に注目[c]2024 BYUS ENT & JNC MEDIA GROUP ALL RIGHTS RESERVED

メガホンをとったク・テジン監督は、“常に春である”という意味を持つヌルボムガーデンの名前に惹かれ、「こんなに美しい名前である場所で、なぜこのようなことが起きたのか…。そんな皮肉を感じたのです」とこの場所を題材にしたホラー映画を作ることを決断したという。そして「静かなものよりも動いているものの方が好みで、恐怖描写も全体的に動きのある表現にすることを意識しました」と語り、アリ・アスター監督の『ヘレディタリー 継承』(19)を参考にしたと明かしている。

このたびPRESS HORRORが独占入手した本編映像には、不吉な夢から目覚めたソヒが、リビングで夫の霊と遭遇するシーンが収められている。思いもよらぬ再会に、目に涙を浮かべるソヒ。しかし彼女を、目を覆いたくなるような痛みが襲うことに…。いったいこの後、彼女にどんな恐怖が待っているのか。都市伝説やネット上の噂をも凌駕したヌルボムガーデンの恐ろしさを、その目に焼き付けてほしい。

文/久保田 和馬

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