ドナルド・トランプを創り上げた“3か条”とは?悪名高き弁護士から学ぶ成功へのメソッド
ルール1:攻撃、攻撃、攻撃
まずはルール1の「攻撃、攻撃、攻撃」。違法行為も辞さない汚い手を使い、政府から3回も起訴されながらすべてに勝利してきたコーンのこの言葉には説得力があった。だからこそ、「勝ちたいならなんでもやれ!」という彼の教えに素直に従ったトランプ。事業に協力してくれないエドワード・アービング・コッチNY市長をメディアで叩けば、グランド・セントラル駅の近くコモドアホテルを買収し、1500室からなる世界一の高級ホテルの建設に乗りだす。さらに、マンハッタン区ミッドタウン5番街に58階建てのトランプタワーを完成させ、ニュージャージー州のアトランティックシティへのカジノ誘致をはじめとした数々の事業にものすごい勢いで次々に着手していく。
ルール2:非を絶対に認めるな
ルール2は「非を絶対に認めるな!全否定しろ」。コーンは「批判など気にするな。批判などどうでもいい。そんな基準は存在しない。たった1つの真実など人が作ったフィクションだ。大切なのは勝つこと。それしかない」とも言うが、トランプはこの言葉も信じて邁進していく。「クライスラービルが差し押さえられた地区にホテルなど建てるな!」と反対する父親に対し、「父さん、俺が正しいといつかはわかるはずだ」ときっぱり。テレビのインタビューで「市が財政破綻寸前で、税金が高いのにどうやって利益を?」と疑問を投げかけられた際には、「都市計画審議会は意のままにできる」とはったりをかまし、コーンのウルトラC級の秘策も借りて形勢を逆転させることに成功。「俺の主張が真実だ!」と訴えるまでになる。
ルール3:勝利を主張し続けろ!
そしてルール3が「勝利を主張し続けろ!」。コーンは「これが最も重要だ」と説く。「どれだけ劣勢に立たされても勝利を主張しろ。決して負けを認めるな!それが勝利のルールだ」と。その言葉がトランプにどんな影響を与え、どんな行動を起こすことになるのか?そして、いかにして師であるコーンをも震撼させる今日のような“怪物”になってしまったのか?これについては本作を観た時の興奮と衝撃を奪うことになるので敢えて触れない。自分の目で見届けることが、その動向から目が離せないトランプ大統領がこれからやろうとしていることへの注視につながるはずだから。
文/イソガイマサト