元宝塚歌劇団雪組トップスター、彩風咲奈が駆け付けた!劇場アニメ『ベルサイユのばら』世界最速上映会が開催
革命期のフランスで懸命に生きる人々の、愛と人生を鮮やかに描いた池田理代子の代表作を新たにアニメーション映画化した『ベルサイユのばら』(1月31日公開)。公開前夜となる1月30日、本作の世界最速上映会が開催され、オスカル役の沢城みゆき、マリー・アントワネット役の平野綾、アンドレ役の豊永利行、フェルゼン役の加藤和樹ら声優陣が集結。また、昨年、自身の退団公演でフェルゼン役を務めた元宝塚歌劇団雪組トップスターの彩風咲奈(あやかぜさきな)がスペシャルゲストとして登場した。
本作には、将軍家の跡取りで、“息子”として育てられた男装の麗人オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ、隣国オーストリアから嫁いできた気高く優美な王妃マリー・アントワネット、オスカルの従者で幼なじみの平民アンドレ・グランディエ、容姿端麗かつ知性的なスウェーデンの伯爵ハンス・アクセル・フォン・フェルゼンが登場。彼らが、栄華を誇る18世紀後半のフランス・ベルサイユで出会い、時代に翻弄されながらも、それぞれの運命を美しく生きる姿が描かれる。
作品が上映されたあと、登壇した沢城は「いま観ていただいた通り、たくさんのスタッフで作り上げた作品です。とうとう皆さまに受け渡す日がやってきました。このあと、私たちにできることは祈ることだけです。ひとりでも多くの皆さまの手の平の上に、そしてそれぞれの心の中にどれくらい残ってくれるかな、残ってくれたらいいな…ということを祈るだけの段階。本日はありがとうございます」と挨拶。
そして、宝塚歌劇団の雪組公演「ベルサイユのばら―フェルゼン編―」にてフェルゼン役を演じ、昨年10月に退団したばかりの元雪組トップスター彩風咲奈が、純白のスーツで駆け付け、登壇すると「もうただのファン」と話す沢城と平野は大喜び。平野は「実は『ベルサイユのばら―フェルゼン編―』が初めて観た“ベルばら”で。すごく大好き」と笑顔を見せた。
その後、映画化された『ベルサイユのばら』を観た感想を問われると、彩風は「歌に音楽に、そして皆さまのお声がすばらしかったです。本当に豪華絢爛で、また改めてトキメキをいただきました」とコメント。劇場版のフェルゼン役を演じた加藤についても「本当にすてきでした。声から温かさと真面目さが出ていて。それから、やっぱり私は男役とはいえ中身は女性ですので、『あっ、男性から見た、感じたフェルゼンってこういう風な感じなんだな』って思いながら観させていただいて。もうフェルゼンを演じることはないんですけど(笑)、なんかいろいろと勉強しながら観てしまいました」と感慨深げに語っていた。
一方の加藤は、彩風の印象を聞かれると「まぶしいなって思います。このキラキラは多分僕はリアルにはちょっと出せない。なので、声でもうちょっと頑張りたいと思います…」と、小さめの声で自嘲気味にコメント。すると、加藤の仕事ぶりを労うような拍手が会場から起こった。
イベントではそのほか、MCが声優陣に“運命だと思ったできごと”を問う場面も。これに平野は「私がアニメの声優の仕事を初めてやらせていただいたのが14歳の頃なんですけど。マリー・アントワネットが宮廷に嫁いだのも14歳。そして、今私は37歳なんですけど、マリーが断頭台の露と消えたのも37歳。私死んじゃうのかな!?って…。これってすごい偶然なんですけど、ターニングポイントが一致するようなタイミングだなと思いながら(マリー役を)やらせていただきました」と答え、会場を驚かせていた。
取材・文/平井あゆみ