アカデミー賞は、ズバリ『アバター』VS『ハート・ロッカー』の一騎打ちか
アメリカ現地時間2月2日、第82回アカデミー賞の候補が発表され、早くも周囲の気持ちは3月7日に控えた授賞式に飛んでいる。
かねてから噂されていた通り、主演女優賞のサンドラ・ブロック(『しあわせの隠れ場所』)とメリル・ストリープ(『ジュリー&ジュリア』)は、当日までどちらが受賞するのかわからないという大接戦。しかし、主演男優賞のジェフ・ブリッジス(『Crazy Heart』(原題))、助演男優&女優賞のクリストフ・ヴァルツ(『イングロリアス・バスターズ』)とモニーク(『プレシャス』)は、ほぼ決まったも同然と言われている。
となると、今年の見どころは、やはりノミネート数が5作品から10作品に増えた作品賞と、監督賞に集約されるだろう。仲良く9部門でノミネートされた、『アバター』のジェームズ・キャメロン監督と『ハート・ロッカー』のキャスリン・ビグロー監督は、実は1989年から91年まで夫婦だった仲なのだ。それぞれが別々の道を歩み、“SFファンタジー”と“戦争ドラマ”という真逆のジャンルで、アカデミー賞にノミネートされたことは何とも面白い。
キャメロン監督といえば、『タイタニック』(97)でアカデミー賞作品賞、監督賞などを受賞。同作主演のレオナルド・ディカプリオが劇中に登場する船上で叫んだセリフ「私は世界の王者だ!」と叫んだことで有名。今回『アバター』は、13年間トップの座に君臨し続けた『タイタニック』の興行成績を抜いて世界ナンバーワンに躍り出た作品とあって、2冠に輝くかが注目される。
一方キャスリン・ビグロー監督は、初ノミネート。さらに、監督賞にノミネートされた女性監督は過去3人いるが受賞者はゼロとあって、女性監督の初受賞が注目されている。
これまでの賞レースでは『ハート・ロッカー』が優勢だったが、ゴールデングローブ賞で『アバター』に風向きが変わりつつあり、まさに混戦模様。いずれにしても今年のアカデミー賞は、圧倒的な強さを見せる『アバター』と『ハート・ロッカー』で、元夫婦が火花を散らすことになりそうだ。【NY在住/JUNKO】