新キャプテン・アメリカ役のアンソニー・マッキー、『エンドゲーム』から最新作までの軌跡に思いを馳せる「次のクライマックスへの土台となる作品」

インタビュー

新キャプテン・アメリカ役のアンソニー・マッキー、『エンドゲーム』から最新作までの軌跡に思いを馳せる「次のクライマックスへの土台となる作品」

「出演できるとは思っていませんでしたが、今作で俳優として成長することができました」(ティム・ブレイク・ネルソン)

――ラミレスさん、あなたはファルコン役を引き継ぎました。キャプテン・アメリカのフランチャイズ作品の重要な一部を担うことになったことについて、どう感じていますか?

「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」に登場したホアキン・トレスは、二代目ファルコンとして活躍
「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」に登場したホアキン・トレスは、二代目ファルコンとして活躍[c] 2025 MARVEL.

ダニー・ラミレス「まず、ファルコン役だけでなく、どんな役でも引き継ぎを任されることは、本当に名誉なことだと思います。そして、それはアンソニー・マッキー自身が確立したものです。アンソニーは『MCUに参加させてほしい』と、たくさんの手紙をケヴィンに書いたという話を聞いて、本当に謙虚な気持ちになりました。私はオーディションの機会をいただいただけですから。でも、私の人生ととてもよく似ていて、自分のヒーローのような俳優と一緒に仕事ができること、そして尊敬する彼らと撮影現場を共にできることをうれしく思いました。だから、アンソニーに、ハリソンに、そしてMCUに感謝を伝えたいと思います」

――ティム・ブレイク・ネルソンさんもMCUに復活しました。サミュエル・スターンズというリーダーについて、最も説得力があると思うのはどんな点ですか?

ティム・ブレイク・ネルソン「出演できるとは思っていませんでしたが、今作で俳優として成長することができました。ケヴィン、プロデューサーのネイト(・ムーア)、ジュリアス、そして脚本家たちは、演じるのがとても難しいすばらしいキャラクターを、繊細に書き上げてくれました。15年前の私には演じられなかったでしょう。少なくとも、あのころの私はいまのような役者ではなかったと思います。役者として最も望むことは成長し続けることですが、彼らが書いたキャラクターを演じるには、この成熟が必要だったと感じています。そして、また出演依頼をいただいたことにとても感謝しています」

黒幕の陰謀を阻止すべく奔走するサムたちだが、巧妙な罠が待ち受ける
黒幕の陰謀を阻止すべく奔走するサムたちだが、巧妙な罠が待ち受ける[c] 2025 MARVEL.

――50年にもわたる俳優としてのキャリアをお持ちの、エスポジートさんは、サイドワインダー役としてMCUデビューしました。あなたにとって、これはどのような意味を持つのでしょうか?

ジャンカルロ・エスポジート「MCUに参加できることを非常に光栄に思います。なぜなら、MCUは信頼性の高いフランチャイズだから。彼らは意味のある映画を制作しており、エンタテインメント性も備えています。しかし、私にとってこの映画の深みは、その人間関係にあります。共感や友情、信頼、疑念など、様々な要素が絡み合う人間関係が、私にとって非常に興味深いのです。アンソニー・マッキーに深い敬意を抱いています。キャプテン・アメリカは、カリスマ性、リーダーシップ、道徳性のすべての要素を備え、それを体現している人物です。『自分が従うことができなければ、人を導くことはできない』という格言があります。さて、これらの映画を観ると、このサム・ウィルソンというキャラクターは、まさに従う立場にあった人物です。そして、舞台裏から世界がいまある姿になるのを見てきた人物であり、この世界に適応するために勇気と人間性と恐れを知らぬ心すべてを注ぎ込み、善の側に立つことを選んだ人物です。これらの要素はすべて、私の人生と成長の一部となることでしょう」

「サムはスーパーヒーローとは対照的な、ごく普通の男の視点を提供できる」(アンソニー・マッキー)

本作では日本が重要な存在となる
本作では日本が重要な存在となる[c] 2025 MARVEL.

――アンソニーさん、将来的にキャプテン・アメリカがアベンジャーズ・フランチャイズに参加することについて、最も期待していることはなんでしょうか?また、サムはその役目にどう備えるのでしょうか?

マッキー「この映画では、サムがキャプテン・アメリカとしての存在、実体、化身を確立します。そして、彼がありふれた男のキャプテン・アメリカであるという事実が、このフランチャイズの将来に大きな影響を与え、大きな成果をもたらすと思います。なぜなら、彼はスーパーヒーローとは対照的な、ごく普通の男の視点を提供できるからです。そして、私はそれがこのキャラクターのユニークで希有な点であり、人々が惹きつけられ、認め、自分自身を見出すことができる点だと考えています」

――シーラ・ハースさんはこれまでの作品でもドラマチックな役を演じてきましたが、今回のキャプテン・アメリカでのルース・バット・セラフ役は俳優としてのキャリアの新たな始まりとなるのでしょうか?

シーラ・ハース「MCUの世界に身を置くことは、とてもエキサイティングで、同時にこれまでとは異なるものだと感じています。本当に夢が叶った…夢が叶ったというよりも、夢以上のものですね。とても楽しく、とてもワイルドで、最もエキサイティングなシーンもありましたし、彼女の過去や来歴を認識したうえで、新たな一歩を踏みださせようともしました。つまり、私にとって間違いなく真の冒険でした。ルースを演じることは、その冒険への最善の方法だったと思います」


ドラマシリーズから参加するスタッフもおり、家族のようだったと語るアンソニー・マッキー
ドラマシリーズから参加するスタッフもおり、家族のようだったと語るアンソニー・マッキー[c] 2025 MARVEL.

――最後になりますが、キャプテン・アメリカを演じたアンソニーさん、このすばらしい映画を観た観客に、どんなことを感じて帰ってほしいですか?

マッキー「ある日の撮影現場でのことを思い浮かべています。私たちは『エンドゲーム』のセットにいて、ケヴィンは率直に言いました。“『エンドゲーム』を乗り越えるには時間がかかりそうだ”と。キャストやクルーとして、僕らも乗り越えるには時間がかかりそうでした。『エンドゲーム』は感情の高まりが最高潮に達した作品でしたから。そして、すべてが始まった『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』のことを考えました。MCUが築き上げてきた基礎です。あの作品が『エンドゲーム』というタイトルだったのは理由があります。ゲームの終わりでした。この映画『ブレイブ・ニュー・ワールド』は、『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』と同様に、MCUユニバースにおける次のクライマックス、大団円へとつながる基礎、土台となる作品だと感じています。そして、この作品の制作のスタート地点に自分たちがいることを誇りに思います」

取材・文/平井伊都子

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