都市ボーイズの岸本誠が考察を披露!ニコラス・ケイジの怪演が光る『ロングレッグス』最速試写会が開催
2024年7月に北米公開されるや、過去10年間に公開されたインディペンデント系ホラー映画として最高の興行収入を記録する大ヒットとなった『ロングレッグス』(3月14日公開)。本作の日本最速試写会となるPRESS HORROR独占試写会が2月21日に行われ、上映後のトークショーに、都市伝説に精通した怪奇ユニット「都市ボーイズ」の岸本誠が登壇した。
『イット・フォローズ』(14)のマイカ・モンローと、キャリア初のシリアルキラー役に挑んだニコラス・ケイジが共演した本作。新人FBI捜査官のリー・ハーカーは、未解決の一家連続殺人事件の捜査を任される。10の事件に共通するのは、父親が家族を殺害し自殺したことと、すべての犯行現場に暗号で書かれた“ロングレッグス”からの手紙が残されていたこと。リーは謎めいた手がかりをもとに、一歩ずつ事件の真相に近付いていくのだが…。
映画の感想について訊かれた岸本は「ニコラス・ケイジが出ているって聞いていたのに、全然出てこないなって思いました(笑)」と、ケイジの存在に気づかないほどの怪演ぶりに触れると、「ホラーやサスペンス、オカルトなど混ざっていろんな映画の良いところがある。Jホラーっぽさがあるところも印象に残っています」と幅広いジャンルの要素が一本に凝縮していることをアピール。
そんな岸本が一番恐怖を感じたシーンとして挙げるのは、ロングレッグスが車のなかで歌うシーン。「本当に気味が悪かった。やたら歌が上手いし、格好も元ロックバンドの人みたい。『アンダー・ザ・シルバー・レイク』でも描かれているように、ロックバンドは悪魔と契約して売れるというジンクスがあり、彼の過去にそういうことがあったのではないかと想像しました」と語る。
さらに劇中でロングレッグスが「クックー(cuckoo)」という意味不明な言動をとるシーンについて「はじめはニワトリの鳴き声と思ったのですが、海外圏で『クックー』はカッコウの鳴き声。カッコウは托卵といって、自分の産んだ卵をほかの鳥に育てさせる習慣があるので、ロングレッグスが悪魔を家庭に植え付け、育てさせるという意味なのではないかと思いました」と考察した。
そして「若い世代にとっては、僕らが体験してきた口裂け女などの都市伝説は、ネットが発達しているので怖いと思わない。怖がらせる表現が出尽くしたいま、さらにブラッシュアップされている。作り手たちが難しい表現をやってるんだろうなというのは感じています」と、メガホンをとったオズグッド・パーキンス監督の手腕に熱烈な賛辞。「この10年でいちばん怖い」とも言われている本作の日本最速試写会は、大盛況のなかで幕をおろした。
文/久保田 和馬