ポン・ジュノ監督最新作『ミッキー17』ワールドツアーレポート到着!半地下ファミリーからのコメントも

ポン・ジュノ監督最新作『ミッキー17』ワールドツアーレポート到着!半地下ファミリーからのコメントも

『パラサイト 半地下の家族』(19)のポン・ジュノ監督最新作『ミッキー17』(3月28日公開)。このたび、世界での公開に先駆け開催された、ワールドツアーのレポートが到着した。

【写真を見る】『ミッキー17』で主演を務めるロバート・パティンソンがロンドンで行われたワールドプレミアに登場!
【写真を見る】『ミッキー17』で主演を務めるロバート・パティンソンがロンドンで行われたワールドプレミアに登場![c] 2025 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

“どん底“の使い捨てワーカー、ミッキーによる、権力者たちへの逆襲エンタテインメントとなる本作。ロンドンでのワールドプレミア、ベルリン国際映画祭で一足早くお披露目されると、世界有数のメディア、映画批評を集積、集計するサイト「Rotten Tomatoes」では高評価のレビューが続出し、作品の評価の高さの指標となるトマトメーターが89%を突破した。

ワールドプレミアに登壇した豪華出演陣
ワールドプレミアに登壇した豪華出演陣[c] 2025 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

2月13日にイギリス、ロンドンでのワールドプレミアに始まり、15日にはドイツのベルリン国際映画祭公式上映&公式会見、16日にはフランスのパリプレミア、そして20日には、監督の母国凱旋となる韓国でのソウルプレミアへと、『ミッキー17』のワールドツアーのレポートが到着した。

15日にロンドンで行われたワールドプレミアからスタートしたワールド・ツアー。監督とともにミッキー役のロバート・パティンソン、ブラック企業トップのマーシャル役のマーク・ラファロ、その妻イルファ役のトニ・コレット、ミッキーのソウルメイト、ナーシャ役のナオミ・アッキー、ひと癖ありげな友だちティモ役のスティーブン・ユァンら、豪華キャストが結集した。素肌にダークスーツを着こなしたパティンソンは、「僕の演じたミッキーも様々なアニメのキャラクターを参考にしているから、日本のお客さんにも響く部分があると嬉しい」と話し、監督も「日本の漫画やアニメをたくさん見てきました。なので私の作品には日本人的な感性が感じられると思います!」と日本愛を口にした。

ベルリン国際映画祭公式上映のレッドカーペットに登場したキャストたち
ベルリン国際映画祭公式上映のレッドカーペットに登場したキャストたち[c] 2025 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

ベルリン国際映画祭公式上映のレッドカーペットには制作陣も加わり、華やかなドレス姿の3女優が花を添え、革ジャンにトラックパンツ姿のパティンソンは笑顔でファンサービスに応じた。続いて行われた公式記者会見に顔を揃えた監督とキャストは全員カジュアルな装いでプレスからの質問に応じた。ロバート・パティンソンは記者会見にて、「ミッキー18号を演じる時に、彼の気分が0から100まで信じられないほど急激に変わるところは、日本のアニメから影響を受けたよ」とコメントし、「アニメで、まったく動かない人が突然どこからともなく激怒するところがすごく好きで、それを真似しようとしたんだ」と、役作りの裏には日本のアニメが影響を与えていたことを明かした。

グーポーズを披露するポン・ジュノ監督
グーポーズを披露するポン・ジュノ監督[c] 2025 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

16日のパリでのプレミアにはジュノ監督とピンクのドレスを纏ったコレットを中心にグループショットを撮影。監督も思わずグーポーズを披露するひとコマも見られた。

ソウルでのプレミアでは『パラサイト 半地下の家族』出演キャストからのコメントがお披露目された
ソウルでのプレミアでは『パラサイト 半地下の家族』出演キャストからのコメントがお披露目された[c] 2025 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

そして、20日には、ジュノ監督の母国凱旋となるソウルでのプレミアが盛大に開催された。ジュノ監督、ラファロ、アッキー、ソウル生まれのユァンがリラックスした笑顔で記念撮影に応じたり、ファンサービスに応じるなど、終始すさまじい熱気に包まれていた。その後は、舞台挨拶も実施され、監督は「公開前にもかかわらず、こんなに早く来ていただきありがとうございます。私たちには皆、劇場で映画を観る理由があると思いますが、今日は『劇場で映画を観る』という体験に酔いしれてほしいです」と挨拶。アッキーは、「韓国のファンの皆さん、温かく迎えてくれてありがとうございます。私たち全員が愛情を込めて作った作品なので、ぜひ楽しんでほしいです」と語った。またラファロは「10年ぶりに韓国に戻ってきました」と久しぶりの韓国訪問に対して笑顔を見せ、「ポン・ジュノ監督のような監督と一緒に仕事をすることができてとても光栄です」と撮影を振り返る。ユアンも、「再びポン・ジュノ監督の新しい映画で皆さんとお会いできることをとても嬉しく、光栄に思います」と、ジュノ監督作品への出演の喜びを語った。

ソウルでのプレミアの様子
ソウルでのプレミアの様子[c] 2025 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

そして28日(金)に全世界で最初に監督の母国である韓国で公開を迎える本作。25日の時点で韓国国内の前売り率は50%を超え、全映画のなかで圧倒的な数字を記録。『スノーピアサー』(13)では動員930万人、『パラサイト 半地下の家族』では動員1,030万人超えを記録するなど、ジュノ監督作品は韓国でメガヒットを連発しており、本作は『パラサイト 半地下の家族』に続く最新作として、期待がますます高まっている。同じ韓国出身で、『別れる決心』(22)で第75回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で監督賞を受賞したパク・チャヌク監督も本作に対して、「ロバート・パティンソンに2つのアカデミー賞を与えるべきだ。主演男優賞と助演男優賞をね」とコメントを寄せている。

さらにソウルでのプレミアにて『パラサイト 半地下の家族』で“半地下ファミリー“を演じた俳優陣のコメントがお披露目された。半地下で過ごすなかで、裕福な家庭の家庭教師を請け負った長男ギウを演じ、「その年、私たちは」や「恋するムービー」などの日本でも人気のドラマシリーズ主演を務めるチェ・ウシクは、「本当にこれは傑作、絶対に観るべき!」、全員失業中の半地下住宅の一家の主を演じ、『殺人の追憶』(03)、『グエムル 漢江(ハンガン)の怪物』(06)、『スノーピアサー』と数々のジュノ監督作品や、是枝裕和監督の『ベイビー・ブローカー』(22)にも出演している俳優ソン・ガンホは、「奇妙なのに忘れられない感動がある!」とコメント。さらに、美大を目指す浪人生として、兄に続き裕福な家庭に”寄生する”長女を演じたパク・ソダムは「ポン・ジュノ監督の作品は、頻繁にみたくなります…今回も色々考えさせられた」、半地下の一家の母を演じたチャン・ヘジンは「人々がどれほど愚かな事をしているのか、同時にどれほど新しいことが起こっているのか、考えてしまう」とそれぞれコメントを寄せた。

主演のパティンソンは、ジュノ監督との出会いを振り返り、「どんなプロジェクトかも全く知らなかったですし、彼はレジェンドなので最初はとても緊張していました。でも彼の映画で俳優たちが見せる演技も本当に好きで、彼がなにをするにしても、それが非常に独特なものになると感じていました」とコメント。また、撮影期間のことを、「面白いのは、キャラクターについては多くは話しませんでした(笑)監督とは一緒に多くのディナーの時間を過ごしましたが、ほとんどの時間はサッカーの話でした(笑)でも監督は現場ではいつも冷静で、穏やかに楽しんでいるような雰囲気がありました。彼と一緒に仕事をしていると、なにも問題が起こらないように感じます。みんなが彼を信頼していて、本当に楽しい現場でした」と振り返った。

ポン・ジュノ監督の母国である韓国では2月28日より全世界で最初に公開を迎える
ポン・ジュノ監督の母国である韓国では2月28日より全世界で最初に公開を迎える[c] 2025 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

ジュノ監督も「物語を脚本に落とし込む際、どれだけ詳細に描写したとしても、結局それはページ上の言葉にすぎません。これらのキャラクターに命を吹き込めるかは俳優次第です。そして実際に、ロバートが自身の創造性とアイデアで、キャラクターに細かいニュアンスを加えたことで、私が考えた2人のミッキーの設定を完全に超えて、新たなエネルギーもたらしました。彼がミッキーに命を吹き込む瞬間は本当に素晴らしいものでした」と、2人のミッキーを演じきったパティンソンを絶賛した。


パティンソンの怪演によって生まれたミッキーが繰り広げる、強欲な権力者たちへの逆襲劇の行方をぜひスクリーンで見届けよう!

文/サンクレイオ翼

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