ポン・ジュノ監督最新作『ミッキー17』スティーブン・ユァン演じる要注意人物?の場面写真を独占公開
映画『パラサイト 半地下の家族』(19)で第72回カンヌ国際映画祭では韓国映画初となるパルム・ドールを受賞し話題を集めたポン・ジュノ監督最新作『ミッキー17』が3月28日(金)より公開される。このたび、掴みどころのないミッキー(ロバート・パティンソン)の友人ティモ(スティーブン・ユァン)がほくそ笑む新場面写真が到着した。
『パラサイト 半地下の家族』では、パルム・ドールに加え、第92回アカデミー賞では作品賞を含む6部門にノミネートされ、作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の最多4部門を受賞。誰もが予測できない怒涛の展開をサスペンスフルに描き世界中に驚きを与えたジュノ。常に社会問題を織り込み、極限状態の人間の本質を鋭く描き、誰も見たことがないエンタテインメント」を贈り続けている。歴史を塗り替えた稀代の映像作家が贈るアカデミー賞受賞後初となる、最新作にして集大成『ミッキー17』は、”どん底”の使い捨てワーカー、ミッキーによる、権力者たちへの逆襲エンタテインメントに仕上がっている。
『グエムル -漢江の怪物-』(06)では、突然現れた怪物に娘を奪われた父と家族の奮闘を描き、初の国際的プロジェクト『スノーピアサー』(13)では、氷河期の地球を走り続ける階級列車を舞台に最後尾からの決死の攻防を描いたジュノ。その後も、巨大生物と少女の交流を通して現代社会の倫理や企業間の争いを浮き彫りにした『Okja/オクジャ』(17)、予測不能の展開で全世界を驚愕と興奮の渦に叩き込んだ『パラサイト 半地下の家族』(19)へと、ジュノは常に進化を続けてきた。最新作『ミッキー17』は、製作費1億5000万ドル(IMDB調べ)、ジュノ史上最大のスケールで描かれる逆襲エンタテインメント。エドワード・アシュトンのベストセラー小説「ミッキー7」を原作として、人生失敗だらけでダメダメのミッキーを主人公に、これまで描いてきた作品のエッセンスが凝縮されている。
先日実施された、ロンドンでのワールドプレミア、ベルリン国際映画祭で一足早くお披露目され、INDEPENDENTやEMPIREといった世界有数のメディアでは高評価のレビューが続出!「人生で最も先の読めなかった映画のひとつ」、「現代に深く響く、ポン・ジュノ最高傑作のひとつ」、「ポン・ジュノ監督の天才性を刺激的に証明」、「まさにこの混沌とした瞬間に必要としていた映画」、「この時代にぴったりで、魅力的」、「最高。説得力もあり、美しい。ロバート・パティンソンが何役もこなすのも一興」と絶賛の嵐。世界での公開を前に、新たに描かれる”ポン・ジュノワールド”への期待が高まるイベントとなった。
ジュノ作品には2度目の参戦となるユァン。2017年の『Okja/オクジャ』では、自分勝手な“誤訳”によって物語に大きな影響を及ぼす動物愛護団体の通訳を演じ、見事に監督の信頼に応えた。また、全世界で大人気のドラマ「ウォーキング・デッド」シリーズでは、ゾンビの蔓延る世界で、懸命にそして時に狂気を見せながら生きるグレンを熱演。さらに、2021年の第93回アカデミー賞で主演男優賞にノミネートされた『ミナリ』での好演や、子役時代のトラウマを抱える遊園地のオーナーに扮したジョーダン・ピールの『NOPE/ノープ』など、個性的な演技を披露し続けているユァン。さらに自身が製作総指揮と主演を務めるNETFLIXドラマ「BEEF/ビーフ」では、業績不振に悩む工事業者がキレる様子を怪演し話題となった。
一度その演技を見たら不思議と記憶に残り続けてしまうユァンが、今回『ミッキー17』で演じるのは、ミッキーの友だちではあるものの、なにを考えているか掴み切れない、ひと癖ありげなパイロットのティモだ。
人生失敗だらけのミッキーが手に入れたのは、何度でも生まれ変われる夢の仕事…のはずが、それは身勝手な権力者たちの過酷すぎる業務命令で次々と死んでは生き返る任務、まさに究極の“死にゲー”だった。地獄のような日々が続くある日、極寒の雪原で、たった一人で任務を続けていたミッキーは予期せぬ落下事故に見舞われる。堅く凍った氷の上で絶望的な気分になったミッキーの前にティモが救出にやってくる…と思いきや、「死ぬってどんな感じだ?」と声をかける。
この時ティモは上から声をかける形になっているが、内心でもミッキーのことを見下している。ジュノ監督は、階級格差や人を見下すさまを垂直描写によって表現し、同時にミッキーのリアクションによってダメダメでお人好しな主人公の性格を瞬時に伝えてしまう。ジュノの手腕が冴えるワンシーンとなっている。
今回解禁された場面写真は、そんなユァン演じるティモが、操縦席からカメラ目線でこちらを見つめているカット。完全防寒されたコックピットでサングラスをつけて薄ら笑いを浮かべるこの男、やはり癖があって怪しげに見えるのだが…。ジュノ監督は、「ティモはこの映画をとてもユニークなものにし、映画の雰囲気と質感にプラスの要素を加える特別なソースのような存在です」と『ミッキー17』に“隠し味”を与える重要人物の1人だと語っている。
ブラック企業のどん底で、ありとあらゆる方法で搾取され、何度も死んでは生き返らせられるミッキー。落下事故から奇跡の生還を果たしたミッキー17だったが、彼の前に手違いで自分のコピーである”18号”が現れ事態は一変。2人のミッキーは権力者たちへの逆襲を開始する。ターゲットは自分の得しか考えていない強欲なボス、マーシャルと現場に“死にゲー”任務を強いるイルファ(トニ・コレット)だ。使い捨てワーカーvs強欲なブラック企業のトップによる壮絶な戦いが始まる。
全世界を驚愕と熱狂の渦に叩き込んだポン・ジュノ監督が史上最大のスケールで放つ『ミッキー17』。ミッキーが臨む壮絶な死にゲーの行方を、その目で見届けよ!
文/サンクレイオ翼