映画『スーパーマン』“アメコミヒーローの原点”スーパーマンの誕生日を祝した日本語吹替キャストの激励コメント
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズのジェームズ・ガンが監督を務める映画『スーパーマン』(今夏公開)から、2月29日のスーパーマンの誕生日を祝して、過去にスーパーマンの吹き替えを担当した東地宏樹と星野貴紀から激励コメントが到着した。
希望の象徴として人々の平和を明るく照らし続けてきたスーパーマンの歴史は、1938年に発行されたコミックから始まり、1978年には劇場版『スーパーマン』の公開によりその存在が世界中に知られるようになる。これまでにも幾度となく実写映画化され、ヒーローの原点として今なお世界中から愛されているスーパーマンの完全新作映画がこの夏世界中のスクリーンに戻ってくる。普段は大手メディアであるデイリー・プラネット社の新聞記者として平凡に働くクラーク・ケントに扮し正体を隠すスーパーマン(デイビッド・コレンスウェット)。そんな彼を人類の脅威と考え、陥れようとする最大の宿敵であり最高の頭脳を持った天才大富豪レックス・ルーサー(ニコラス・ホルト)が立ちはだかる。
1978年に第1作が公開されて以降、これまで数多くの俳優によって演じられてきたスーパーマンだが、このたび『スーパーマン リターンズ』(06)で、ブランドン・ラウス演じるスーパーマンの日本語吹替を担当した東地と、『マン・オブ・スティール』(13)、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(16)、『ジャスティス・リーグ』(17)でヘンリー・カビル演じるスーパーマンの日本語吹替を担当した星野の2人が、この夏最も注目を集める完全新作『スーパーマン』への想いと期待を語り、長年紡がれてきたスーパーマンの希望を最新作へつなげた。
東地は「初めてスーパーマンの吹き替えをさせてもらったのは『スーパーマン リターンズ』です。小さい頃から見ていたので、クラーク・ケントを自分がやるとは不思議な感覚でした」と当時を振り返り「その後に日曜洋画劇場で『スーパーマン』、深夜枠で『スーパーマン2』も吹き替えさせていただき、ささきいさおさんで聴き慣れていたものですから、自分がやるなどおこがましなあと、でもそれ以上に名誉なことだと思いました」と、1978年に公開された、クリストファー・リーヴが演じたスーパーマンの吹替についてもコメント。改めて長きにわたるスーパーマンの歴史に想いを馳せながら「新作の『スーパーマン』。期待しかありません。映像も進化していますし、早く見たいです!」と期待を寄せ、スーパーマンというキャラクターについては「スーパーマンは正義の味方のシンボル。とにかく戦争や紛争を解決してもらいたいです」と現代を生きる我々にとっても正義の象徴であると、希望を込めたコメントを寄せた。
一方の星野は、自身の吹替を振り返りながら「スーパーマンの吹き替えを担当したことは、私にとって特別な経験でした。スーパーマンというキャラクターは、単に強いヒーローというだけではなく、“正義の象徴”であり、“希望の象徴”でもあります。その声を担当することには、責任感と使命感を強く感じました」とオファーを受けた時には相当な覚悟があったと告白。印象に残っているシーンについては「特に印象に残っているのは、クラーク・ケントとしての葛藤を表現するシーンです。人間らしさと、ヒーローとしての強さ、その両方をどう表現するかが、一番の挑戦でしたね」と自身の吹替を振り返りながら、スーパーマンというキャラクターについては「スーパーマンは圧倒的な力を持っているのに、それを誇示することはなく、“普通の人々と共に生きる”ことを選んでいます。その葛藤や孤独感は、誰しもが感じる“自分の居場所を探す”というテーマに通じるものがあり、演じていてとても共感しました」と語る。
そして今年の夏に公開となる新たな『スーパーマン』については「今夏公開の完全新作には、“現代の価値観に沿ったスーパーマンの在り方” を描いてほしいと思っています。これまでのスーパーマンは、“絶対的な正義”を象徴していましたが、現代の多様化する社会において、“悩み、迷いながらも正義を貫く” という“人間らしいヒーロー像”を見てみたいですね。また、“クラーク・ケントとスーパーマンの狭間での葛藤” をもっと深く描いてほしいです。劇場作品ですと、どうしてもスケールが大きくなってしまうので、強大な力を持ちながら、“人間として生きる苦悩” や “ヒーローとしての責任” をどう折り合いをつけていくのか。その葛藤を、繊細かつ丁寧に描いてくれることを期待しています」と、等身大の人間としての姿を見せながらも、スーパーヒーローとして戦う姿に希望を寄せている。
最後に、世界や人々にとってスーパーマンはどのような存在であってほしいか?という問いに対しては「スーパーマンは、“絶対的な正義の象徴” であると同時に、“希望の象徴” であってほしいと思っています。 圧倒的な力を持っていながらも、その力を“人を守るため”に使うという不変の信念を持っています。その姿勢が、世界中の人々に “正義とは何か”を問いかけ“自分にできることは何か”を考えるきっかけになってほしいと願っています。また、スーパーマンは“変わらない普遍的な価値観”を体現する存在であってほしいと思っています。時代や社会が変化しても、“正義”や“勇気”“希望”“愛情”といった価値観は不変のはずです。現実には、これらの価値観が曖昧になったり、揺らいだりすることがありますが、そんな時こそ、スーパーマンが人々に“正しいことを貫く勇気”を与えてほしいと思います」と並々ならぬスーパーマンへの想いを語り、長年紡がれてきたスーパーマンの歴史を新時代のスーパーマンへとつなげた。
そして1年前の今日は本作の撮影が開始された新生『スーパーマン』始動の記念すべき日でもあり、監督を務めるガンはDCユニバースの新たな幕開けとなる本作について「この映画はスーパーマン(クラーク・ケント)の人間性を描いています。彼は別の惑星から来たエイリアンであり、スーパーパワフルです。しかし、彼もまた感情やフィーリングを持った人間なんです。毎日目を覚まし、自分にできる最善の選択をして、時には失敗もします。予告編では分からない複雑なキャラクター性に、観客の皆さんは驚くと思います」と語っている。
昨年末に解禁となり、全世界で1日で2億5000万回再生され、ワーナー・ブラザース史上最も視聴された予告編となった超<スーパー>特報でもボロボロに傷ついたスーパーマンの姿がファーストカットで映し出されており、ファンの間では完全無欠と思われていたスーパーマンの共感必至の人間らしさが描かれることに期待が高まっている。さらにガンは本作のストーリーついて「もしストーリーの全てが順調に進み、完璧であれば本当に楽観的になり、希望も持てます。ですが、そうなるとあまり中身がなくて、スーパーマンはそれほど強いキャラクターにはなりません。なので、本作は明るい時代の希望となるスーパーマンではなく、非常に困難で暗い時代の希望となるスーパーマンが描かれます。それがこの映画が向き合うことなんです」と語り、新たな“希望の象徴”が困難な時代を生きる人々をどのように照らし出すのか注目が集まる。
さらに2月27日より、Max on U-NEXTにて『スーパーマン / クリストファー・リーヴの生涯』が独占配信スタート。この作品は、1978年の映画『スーパーマン』に始まり、その後4作品にわたってスーパーマンを演じ続けた、クリストファー・リーヴの生涯に迫ったドキュメンタリー。本年の第78回英国アカデミー賞(BAFTA)で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞し、大きな話題になっている。リーヴは1995年、落馬したことで脊髄を損傷し、首から下が麻痺することに。重度の麻痺を負った彼が、生きる意味を再発見し、同じ障害を抱える人たちに勇気と希望を与え続けた様子を映しだした作品となっている。
ヒーローの代名詞ともいえるキャラクターを現代に甦らせる本作。今後の続報も要チェックだ!
文/スズキヒロシ