北野武、“笑える”極道映画『アウトレイジ』の仕上がりに手応え

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北野武、“笑える”極道映画『アウトレイジ』の仕上がりに手応え

『BROTHER』(01)、『座頭市』(03)以来7年ぶり、北野武監督が挑んだバイオレンスアクション『アウトレイジ』(6月12日公開)がついに完成。2月8日に東京国際フォーラムで完成報告会見が行われ、北野監督、椎名桔平、加瀬亮、三浦友和、國村隼、杉本哲太、塚本高史、中野英雄、石橋蓮司、小日向文世、北村総一朗と、豪華キャスト陣が登壇した。

“OUTRAGE”とは“極悪非道”という意味。映画は、登場人物がすべて筋金入りの悪(ワル)ばかりという突き抜けた男前のバイオレンス映画になったよう。今回キャスト陣が、主演のビートたけし以外は、全員が北野作品初出演というのも気になるところだ。北野監督いわく「このクラスの役者さんになると、みなさんすごいなと思うくらい、ほとんど問題がない。上がりも思ったように上がった」とご満悦な様子。

椎名は「昭和任侠ロマンが残ってるようなヤクザ」という大友組の若頭・水野役。北野組に初参加した感想をこう語る。「撮影の仕方はかなり独特で大胆。あまりテストもしないし、役柄の説明もほとんどしない監督なので、一発本番を繰り返していく現場。でも、仕上がった映画は面白くて! 痛いけど、ずっと2時間、高名な先生に足マッサージをやってもらってるような気持ちのいい映画でした」。

大友組のチンピラヤクザ、石原役の加瀬は「撮影のスピードが速く、ついていくのがやっとでした。完成した映画は、予想外の展開ばかりで、自分の役も思った以上に多面的になっていました」と興奮気味に語った。山王会本家・若頭の加藤役の三浦は「本作に登場する中でもいちばん狡猾なワルを爽やかに演じました」と言っていたのでご注目。

また、村瀬組の組長を演じた石橋は「最もかわいい愛嬌のあるヤクザ」となっているとか。「今回、これほどやられていいのだろうかと思うくらい理不尽にいじめられました。俺という役者は北野監督のサディズムをくすぐる何かがあるんじゃないかなと」と撮影を楽しんだようだ。

最後に、『アウトレイジ』の見どころを北野監督がアピール。「笑わせる気はなくても、人間ってあまりにも暴力がすごくて極限状態になると笑うしかないんだ。人間の追い込まれた状況がよく出たと思う。久しぶりにエンターテインメントとしてリリースできるなと思った」と、手応えも十分な様子。

ツワモノたちの強烈な個性が化学反応を起こした『アウトレイジ』は、果たしてどんな映画に仕上がったのか!? その極限のバイオレンスを見て、ぜひ笑ってみたいものだ。【MovieWalker/山崎伸子】

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