満島ひかり、安藤サクラとの出会いは「今でも宝物」

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満島ひかり、安藤サクラとの出会いは「今でも宝物」

10月27日、第30回東京国際映画祭のJapan Now 部門女優特集「Japan Now 銀幕のミューズたち」で満島ひかりの特集上映が行われ、満島がトークセッションに登壇。芝居への向かい方、刺激を受けた女優など、観客を前にたっぷりと自らを語った。

スクリーンで輝く現代のミューズを特集する本企画。満島の特集では、『海辺の生と死』と『愚行録』が上映された。『海辺の生と死』は太平洋戦争末期の奄美群島を舞台に、作家・島尾敏雄とその妻・ミホの出会いを映画化したもの。「奄美大島の血がある」という満島は、本作で島と溶け合っていくような感覚になったという。

演じる上では「『衝動に従いたい』という本能が先走ってしまうときがある」と“衝動型女優”の満島。「音楽グループでデビューしているので、振り付けを覚えるのは得意。ユニゾンで合わせて同じ動きをするのも得意。その英才教育を受けてきたからこそ、“積極的迷子”になることを恐れないのかな」と自身の姿勢を分析していた。

ひとつの役を演じ終わった後は「信じられないくらい疲れているときがある」そうで、「自分の内部を宝探しして、引っ張り出す。終わった後に足が釣っていたり、わけのわからない現象が起こる」とニッコリ。エネルギーを使いまくるため「太れない」と語り、「太った役とかやりたい。グラマーな女の人とかになってみたいのに、全然なれないのが悩み」と笑顔で悩みを明かしていた。

一方の『愚行録』は、貫井徳郎の同名小説を映画化したミステリアスな人間ドラマ。多くの観客が詰めかけ、質問タイムでは外国人の観客から「アメリカではハーヴェイ・ワインスタインのセクハラが問題になっているが、日本の映画界にパワハラはあるか?」と聞かれる一幕も。満島は「私は頑張ってもできないことはあると思っているけれど、日本人って頑張ってなんぼな時期というのがあって。『みんなの前で大きい声で歌え』とか『走ってこい』と言われたり、そういうのはたくさんあった。それをパワーハラスメントとは思わなかった。それを楽しもうと思っていたけれど、辛い人はいると思う」としっかりと持論を語っていた。

さらに「グッときた俳優、女優はいるか?」との質問も。満島は「最初に『すごいな』と思ったのは、サクラ」と安藤サクラだとキッパリ。「『愛のむきだし』という作品で、監督のワークショップで会ったときに圧倒的な演技力だった。得体の知れない“怨念”みたいなのを感じるくらいすごいパワー」とそのパワーに驚き、「彼女と最初に、大きな作品で一緒に主演をできたことは今でも宝物」と瞳を輝かせながら打ち明けていた。【取材・文/成田おり枝】

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