坂本龍一、刀型トロフィーを振り回す!「『戦場のメリークリスマス』思い出した」

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坂本龍一、刀型トロフィーを振り回す!「『戦場のメリークリスマス』思い出した」

第30回東京国際映画祭の特別招待作品『Ryuichi Sakamoto: CODA』(11月4日公開)の舞台挨拶と「SAMURAI賞」の授賞式が11月1日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催され、坂本龍一が登壇。坂本が、受け取ったトロフィーを刀のように振り回して会場の笑いを誘った。

「SAMURAI賞」は、時代を切り開く、革新的な作品を世界に発信し続けてきた映画人に贈られる賞。坂本は、刀のような形をしたトロフィーを見つめて楽しそうな笑顔。ブンブンと振り回したり、首に当ててみたりと、サービス精神旺盛な坂本の姿に会場も大爆笑だった。

坂本は「よく見ると、ここに刀の絵も描いてあります」とトロフィーをながめ、「僕が最初に関わった映画『戦場のメリークリスマス』では、役者として居合をするシーンがありました。撮影が始まる前に道場に通って。焼き刃ですが、刀を振り回すのを習いました。それを思い出しました」としみじみと語った。

さらに「撮影現場では、本当の刀ではないですが、みんなで振り回して刀が曲がっちゃったりして」と振り返り、「今のように環境意識も高くなく、島の木をバッサバッサと切っていた。今は森林保全の活動をしていますが(笑)。そんな思い出がよぎって、思わず振り回してしまった」と続けると、再び会場から笑いが起こっていた。

またこの日は、『Ryuichi Sakamoto: CODA』の監督、スティーブン・ノムラ・シブルも出席。本作は、世界的音楽家・坂本龍一を5年間にわたって密着取材したドキュメンタリー映画。「自分の素顔をさらけ出す、そういう趣味はない」という坂本だが、「日本人以上に腰が低く、丁寧。監督の人間性に惹かれて。この人だったら任せていいという気持ちになった」とドキュメンタリーの被写体となったのは、監督の人柄が要因だという。

坂本によると「撮っているうちに、色々なことが起こりすぎた」と5年の間には想像もつかないことが起きたとか。「そのうち僕が病気になっちゃって。シメたと思ったでしょ?ドラマチックになると思ったに違いない」とからかうと、監督も「そんなことないです」と苦笑しきりだった。【取材・文/成田おり枝】

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