映画館で「キュアショコラがんばれ!」って叫びたい!劇場版ゲストの人気声優・悠木碧が語る熱烈プリキュア愛
女の子を中心に子どもたちから親御さんまで大人気のアニメ「プリキュア」シリーズ。そのTVシリーズ最新作の劇場版、『映画キラキラ☆プリキュアアラモード パリッと!想い出のミルフィーユ!』(公開中)で、謎の妖精“クック”を、「魔法少女まどか☆マギカ」「戦姫絶唱シンフォギア」シリーズなどで人気の声優・悠木碧が演じている。実はオファー前から、毎週のTV放送を必ずチェックするほどの「キラキラ☆プリキュアアラモード」の大ファンという彼女に、今回の出演、そして「プリキュア」愛について思いっきり語ってもらった。
クックの役割は、映画でプリキュアを輝かすこと
「(毎週の放送は)必ず2度見ていて。1回目は童心で『プリキュアがんばれぇ!』って応援しながら見て、2周目は『ここの作画いいなぁ』とか大人目線で見て…(笑)。でも見始めてから、ご近所のお子さんとか『プリキュア』きっかけでちびっ子とふれあう機会も増えました」と言う悠木。そんな彼女に舞い込んだのが、パリを舞台に描かれる本作でプリキュアたちが出会う天才パティシエ・ジャン=ピエール・ジルベルスタイン(声:尾上松也)と一緒に行動する小さな女の子クック。スイーツのレシピ本の中で眠っていた謎の妖精(?)だ。
「オファーを頂いたとき『妖精役が決まりました!』と言われて、『まさかプリキュアのパートナー!?』とイメージを膨らませていたら、『(脚本を読んで)これは一筋縄ではいかない子だな!』という感じでした。いわゆるミスリード感を誘えるタイプで、キュートでポップで小さくて…という雰囲気に寄せる声色で演じました。作品が“ゲラゲラ笑える”要素を大切にしていたので、そのテンポ感やセリフのキャッチーさを大事にしています」
映画で初登場の、いわゆるゲストキャラだが「クックの役割が明確で、ブレずに演じられました」とも振り返る。
「ゲストキャラは、プリキュアたちとの対比的なポジションだと思っていて、彼女たちが(TVシリーズの)1話から比べてどのくらい大人になったのかを実感してもらう対象として、プリキュアに輝いてもらうためにクックを演じたいと思いました。重要な役割を任せていただいて、とてもやり甲斐がありました!」
一見パティシエ風の“謎の女の子”、“謎の妖精”と称されるクックの見た目にも思うところがあった様子。
「腕を差し込んで喋らせる“パペット”みたいでカワイイし、ちっちゃな人型のキャラクターっていなかったなぁとか思っていたんです。ただ彼女、瞳の中に“黒い星”が描かれているんですよ(笑)。今回の映画でフィーチャーされているキュアパルフェ/キラ星シエル(声:水瀬いのり)の瞳の中にも色違いの星が描かれているので『このカラーリング、何かあるぞ』と思ってしまいました(笑)」
“キュアショコラ”にどハマりの理由
そもそも悠木「キラキラ☆プリキュアアラモード」の大ファンになったきっかけは「すごく邪な理由で」というのだが…。
「キュアショコラ/剣城あきら(声:森なな子)が、私にどストライクなキャラだったという理由で見始めて(笑)。私『美少女戦士セーラームーン』のセーラージュピターとかセーラーウラヌスとか“ボーイッシュなポジション”のキャラがものすごく愛おしくて。いわゆる宝塚を踏襲した男の子っぽいキャラはいっぱいいるんですけど、ショコラの場合は“素敵な王子様”として無理なく立ち回りながら“母性”にも溢れていて、とても女の子らしくて素敵だなと思っています」
「本当に、本当に嬉しくて、出られたことが記念になりました」という感謝を繰り返し語りながら、悠木の『キラキラ☆プリキュアアラモード』への熱い想いは続く。
「それからはもう、他のみんなもかわいくて、頑張っていて、応援したくなるし、ストーリーも私の邪な心まで浄化してくれる温かなお話が多くて、一週間いろんなことあったなぁと思いながらニチアサで番組を見て、元気になって月曜日を迎える生活サイクルになりました(笑)」
「『プリキュア』はオーディションを何度も受けさせて頂いて…」という悠木。
「でも…まぁ…うん『私、プリキュア向きじゃないよね、知ってた』っていう気持ちもあって…。私が変身する魔法少女って基本、絶望しちゃうか歌いながら戦うかのどっちかなので(笑)。プリキュアぽくはないかなぁと思っていたんです。なのでクックというポジションに出させてもらえたことも、私の“得意どころ”でうまく起用して下さったというか、『ナイス采配!』だと思いました(笑)」
喜びのキャスティングについて、「プリキュア」シリーズに出演経験のある声優仲間との間で、こんなユニークなやり取りがあったとも明かしてくれた。
「お友達の寿美菜子ちゃん(『ドキドキ!プリキュア』キュアダイヤモンド/菱川六花役)と、早見沙織ちゃん(『魔法つかいプリキュア!』キュアフェリーチェ/花海ことは役)から『あおいちゃん、「プリキュア」のチケットもらったけど、一緒に見に行く?』みたな感じで誘われたので、『ちょっと待って!実は今回、私も出ているんだよね!』って話したんですよ。そうしたら『えっ!どの役?クック?変身しないじゃ~ん』みたいに言われ『うるさいよぉ!』って返しましたけど(笑)。クックだって…活躍するんですよ!2人にもみなさんにも、ぜひ映画館で観て頂きたいです!」
“キラキラルライト”がほしいっ!
親友ならではなやり取りのなか、2人にも「大好きな作品に出られて良かったね」と祝福してもらったそう。
「『やっと“チームプリキュア”の仲間入りだね』みたいな話になって。いままで東映さんの作品は『仮面ライダーゴースト』(15-16)に出させて頂いてたので、なんとなく“チーム東映”には入れたんですけど、『プリキュア』って別なチームな感じだったので。スーパー戦隊シリーズにも携わらせて頂いたことがあるので、これで“ニチアサ”作品は制覇ですね」
そんな「プリキュア」「仮面ライダー」といった東映作品の“すごいところ”について、こんなふうに考えているとも。
「それぞれのシリーズのバトンが紡がれ、受け渡されていくのが感動的で。私たちは『ゴースト』の収録を終えたけど、次のライダーたちがまた世界を守ってくれるし、『プリキュア』シリーズも先代が守ってきた世界を、次のプリキュアが守り継ぐし、映画で魔法つかいプリキュアが登場したみたいに先輩が助けにきてくれる展開は、東映さんじゃなきゃできないですから。そういう紡がれ方いいなって、歴史の積み重ねを表現できるってすごいって思います」.
「プリキュア」も歴史を積み重ね、ちびっ子から大人まで幅広い世代に愛されるシリーズになった。そんなシリーズの“名物”について悠木からリクエストが…。
「『プリキュア』といえば、応援上映ですよ。私は大人なので(来場者特典の)“キラキラルライト”はもらえないんですけど…ほしい(笑)。春の映画を見に行ったとき、ちびっ子たちが映画館でスタッフのお姉さんにライトを手渡されて『わあ~い♪』って喜んでいたんです。それで私も…と思ってお姉さんに近づいたら、スッと回避されて…。『あっそうですよねぇ。ちびっ子じゃないです…すみません』みたいな気持ちで通り過ぎました…(笑)。これはもう“大人向けの応援上映”をやってくれないですか?私もライトをかざして大きな声で『プリキュアがんばれぇ!』『ショコラ負けないでぇ!』って叫びたいです!」【取材・文/トライワークス】