福士蒼汰のアクション力とは?『曇天に笑う』撮影現場で目撃

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福士蒼汰のアクション力とは?『曇天に笑う』撮影現場で目撃

世代を代表する俳優として、快進撃を続ける福士蒼汰。2011年に「仮面ライダーフォーゼ」で初主演を果たした彼だが、『無限の住人』で見せた美しくも激しい殺陣も印象的。“動ける俳優”としても信頼を得ている。人気コミックを実写映画化する『曇天に笑う』(2018年3月21日公開)では、主人公・曇天火役として時代劇アクションにチャレンジ。一体、天火としてどんな激闘を見せてくれるのか。撮影現場を訪ねると、アクション監督も舌を巻く、福士のアクション能力が明らかとなった。

福士にとって、時代劇映画の初主演作となる『曇天に笑う』。明治維新後の滋賀県を舞台に、人に災いをもたらす大蛇の力を阻止するために立ち上がった曇天三兄弟の戦いと強い絆を描く。記者が訪れたのは、クライマックス間近の撮影が行われた「大谷資料館」(栃木県宇都宮市)。大谷石を掘り出して出来た巨大な地下空間に降りると、真夏にも関わらず気温がグンと下がるなど、地上とは切り離された異空間で白熱のアクションシーンが撮影されていた。

曇天三兄弟の長男で、天真爛漫で頼りがいのある“ザ・兄貴”を演じる福士。白の着物に黒の羽織り、髪を結い上げた姿は原作から抜け出して来たような雰囲気たっぷり。次々と襲い掛かる敵をバッタバタと倒していくアクションは緊迫感とスピードにあふれ、「OK!」の声がかかると、福士からも笑顔がこぼれた。

驚くのは、下駄を履いた姿でアクションに挑んでいたこと。素早い動き、型もビシッと決めて見せるなど、福士の見事なアクションには記者からも「すごい…」と声が上がるほど。下駄での芝居について福士は「例えるとすれば、フローリングの上をずっと裸足で走っている感覚です。足の親指が痛くて痛くて」と苦笑い。「でも、やるしかない。走りにくいですし、たまに脱げることもありますが、そのまま芝居を続けるようにしています」と天火として走り抜く意気込みだ。

アクションについては、メガホンをとる本広克行監督や監督補の木村好克、アクション監督の小池達朗と綿密に話し合いながら進めており、「自分自身、格闘技や武術を習っていて、アクション監督の方と“こういう動きはどうでしょう”と相談しながら作っていけているので、新鮮です」と福士。また弟の空丸役を演じる中山優馬の存在も刺激となっているようで、「アクション監督の方が“優馬は覚えがいい”とおっしゃっていて。ダンスをやってきたからでしょうか。一緒にやっていても、確かに吸収が速いので、こちらも刺激されて“頑張らなきゃ”という気持ちになりました」と話す。

「地に足についたアクション、リアリティのあるアクションを目指した」と本作でのこだわりを語る監督補の木村は「福士さんの能力がとても高く、普段からジークンドーなどもやられているそうなので、本人の能力を活かしたアクションにしたいと思っています」と福士を信頼しきり。

さらに「例えばひとりで複数を相手にする対決だと、通常はひとり、ふたりを相手にした後に一度カットをかけるんですが、福士さんの場合、20人でも一気に撮ることができる。これは福士さんの能力が圧倒的に高いからできること。また、スタントではなく福士さん本人がアクションをやることで、後ろからではなく前からきちんと撮ることもできる」と、本作には福士だからこそできるアクションが込められている様子。

天火の武器は“鉄扇”だが、これもアクション能力がないと扱えないものだとか。福士は「鉄扇で戦うときは、相手との間合いが近くなる」と苦労を吐露。距離を縮めて相手と戦うため、恐怖もつきまといそうだが、木村監督補は「福士さんは身体的接触を恐れない」と福士の役者魂に太鼓判。「“やれる人”なので、相手のスタントマンの方がやられてしまう危険性もあります(笑)。お互いに緊張感と信頼関係を持って、アクションを作ることができています」と自信をのぞかせていた。

「自分もアクションが好きなので、“エンタテインメント性に富んだ作品を楽しんでやろう”という気持ちで臨みました」と力強く語る福士。2018年は『BLEACH』の公開も控えるなど、“アクションの福士蒼汰”を堪能できる1年になりそうだ。【取材・文/成田おり枝】

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