藤田まことさん死去 主演作『明日への遺言』で残した思い
2月17日、俳優の藤田まことさんが大動脈瘤破裂のため死去した。76歳だった。
近年は「必殺仕事人」シリーズなどテレビドラマの印象が強かったが、昨年の「おおさかシネマフェスティバル」では『明日への遺言』(07)で主演男優賞を受賞している。
昨年3月22日に実施された大阪歴史博物館での表彰式に出席された藤田さんは、満員のお客さまを前に「生きてて良かった。長い間、俳優をやっているが、映画で賞をいただくのは初めてです」と受賞の喜びを語り、続けて「さすが大阪の皆さん。ぼちぼち(賞を)やっとかんと、(この世から)おらんようになるで、とお情けでいただいた」と会場を笑いで沸せていた。
大阪アジアン映画祭実行委員会は、「それが現実になるとは、残念でたまりません」とコメント。映画祭のカタログ用には、「(『明日への遺言』制作時のエピソードとして)私の兄が海軍特別年少兵として17歳で出征して沖縄・久米島で戦死し、戦争の痛みを知る最後の世代として若い人に戦争の悲惨さを伝えていきたいと思っていました」と藤田さんの言葉が寄せられていた。
今年のおおさかシネマフェスティバルの表彰式も、大阪歴史博物館で3月7日に開催される。藤田さんの思いは主演作に永遠に残っている。【Movie Walker】
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