坊主頭の池松壮亮が最優秀男優賞!土屋太鳳も感涙のTAMA映画賞授賞式
映画ファンの祭典「第27回 映画祭 TAMA CINEMA FORUM」の第9回TAMA映画賞授賞式が、11月18日にパルテノン多摩で開催。池松壮亮、長澤まさみ、満島ひかりをはじめとする豪華俳優やクリエイターたちが登壇した。最優秀男優賞を受賞した池松は坊主頭で登壇し「賞をいただくのは自分としては恐れ多くて坊主にしてきました」とジョークを飛ばし、笑いを取った。
池松は「どんどん日本映画が厳しくなっているのは誰の目にも明らかで、こんなご時世で映画をやってていいのかなという悲観的な人間でもあるんですが」と言いながら「1本1本にこだわって、諦めずにやっていきたいと思っています」と力強く語った。
池松が出演した『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』は最優秀作品賞を受賞した。トロフィーを受け取った石井裕也監督は「感覚的に自由に作った映画を評価していただいてうれしいですし、励みにもなります」と喜びを口にした。4度目のタッグとなった池松については「人生を懸けた大勝負をしようとする時は彼にいてほしい」と深い信頼関係を語った。
また、同作で映画初出演でありながら主演を務め、最優秀新進女優賞を受賞した石橋静河は「人との出会いや作品との出会いに本当に恵まれていると感じます」と言った後、石井監督や池松らに心から感謝した。
同じく最優秀作品賞を受賞した『散歩する侵略者』の黒沢清監督は、国内外の映画賞を数多く受賞しているベテランだが、今回は「初めて獲った」という作品賞に大喜びした。「今回、作品賞、一等賞!こんなにうれしいことはありません。ずっと撮り続けていればこんな幸せな時が来るんだと知りました」と言葉をかみしめた。
同作で最優秀女優賞を受賞した長澤は「お客さんに観ていただいた後、自分にとって価値のあるものだと思ってもらえるような作品作りをしていくよう努力していきたいと思います」と今後の豊富を述べた。
唯一、涙したのが最優秀新進女優賞を受賞した土屋太鳳だ。真摯な役作りを称えられた土屋は「いつのまにか凸凹な心になっていましたが、受賞理由で言っていただいたことは、『それでいいんだよ』と包み込んでくださるような、これからの自分の背中を押してくださったような言葉でした。この言葉を胸に女優として生きていきます」と力強く語り、『トリガール!』で共演し、最優秀新進男優賞を受賞した間宮祥太朗や高杉真宙と喜びを分かち合った。
【TAMA映画賞2017年受賞結果一覧】
■最優秀作品賞:『散歩する侵略者』(黒沢清監督、及びスタッフ・キャスト一同) 『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』(石井裕也監督、及びスタッフ・キャスト一同)
■特別賞:湯浅政明監督、及びスタッフ・キャスト一同(『夜明け告げるルーのうた』『夜は短し歩けよ乙女』) 富田克也、及びスタッフ・キャスト一同(『バンコクナイツ』)
■最優秀男優賞:浅野忠信(『幼な子われらに生まれ』『沈黙 -サイレンス-』『淵に立つ』『新宿スワンII』)、池松壮亮(『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』『続・深夜食堂』『デスノート Light up the NEW world』『永い言い訳』)
■最優秀女優賞:満島ひかり (『海辺の生と死』『愚行録』) 長澤まさみ(『散歩する侵略者』『銀魂』『追憶』『金メダル男』)
■最優秀新進男優賞:間宮祥太朗 (『トリガール!』『帝一の國』『劇場版 お前はまだグンマを知らない』『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』)高杉真宙(『逆光の頃』『散歩する侵略者』『トリガール!』『想影(おもかげ)』『ReLIFE リライフ』『PとJK』)
■最優秀新進女優賞:石橋静河(『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』『PARKS パークス』『密使と番人』) 土屋太鳳 (『トリガール!』『P と JK』『兄に愛されすぎて困ってます』『金メダル男』)
■最優秀新進監督賞:菊地健雄監督 (『ハローグッバイ』『望郷』) 瀬田なつき監督 (『PARKS パークス』)
取材・文/山崎伸子