川栄李奈、ホラー女優に開眼!?「おばけ役がやりたい」
これまで発表した長編作品すべてがアカデミー長編アニメーション賞にノミネートされている、世界最高峰のアニメスタジオ・ライカが長い歳月をかけて作り出した『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』(公開中)。公開記念舞台挨拶が21日、東京・新宿バルト9で開催され、日本語吹替版のキャストを務めたピエール瀧と川栄李奈が登壇した。
本作は、三味線の音色で折り紙に命を与え、自在に操る力を持つ少年・クボが、闇の魔力によって殺された両親の復讐を果たすため、三つの武具を探す冒険へと出るダーク・ファンタジー。第89回アカデミー賞では長編アニメーション賞だけでなく視覚効果賞にノミネートされるなど、世界中の映画賞を席巻した。
劇中で、主人公たちを脅かす“闇の姉妹”を演じた川栄。不気味で恐ろしい風貌の悪役キャラをオファーされた川栄は愛くるしい笑顔で「『コララインとボタンの魔女』が好きなので、本当に嬉しかった」と振り返ると「作り手の方の愛情が詰まった作品なので、愛情を込めて声を吹き込みました」と語った。
一方で、同じくライカ作品のファンだというピエールは「ライカ作品の一員に加えさせていただくことが光栄で、二つ返事でOKした」と、喜びをあらわにした。そして「観ているものすべてに人の手と、人の意志が入っているなんて、とても贅沢な作品」とファンならではの熱弁をふるった。
これまで演じたことのないような悪役を演じるにあたり、川栄は「ひたすら練習しました」とコメント。「オリジナルでルーニー・マーラさんが演じた役なので、それに近いものを目指して頑張ったつもりですけど…どうなったかわからないです」とアカデミー賞候補経験のある女優を目標に、役に臨んだことを明かした。
そんな川栄の演技について「キリッとした役も上手なので、ハマり役じゃないかな?」と褒めちぎったピエール。昨年放送されたNHK朝の連続テレビ小説「とと姉ちゃん」で共演していた川栄とピエール。親子役として半年間絆を深めた2人の久々の共演が、敵役ということにピエールは「絆は深すぎると敵対することもあるんだな、と思いました」と作品の内容に即したコメントを披露し、ニヤリと笑ってみせた。
AKB48卒業後、女優としてめざましい活躍を見せる川栄は、来年には初めての主演映画が決まっている。女優として今後の目標を訊かれると「いろんな作品に、いろんな役で出てみたい」と目を輝かせた彼女は「ホラーが好きなので、おばけ役がやりたいです」とコメント。本作での経験を活かして、ダークな魅力を放つホラー女優として開眼する日も遠くはないかもしれない。
取材・文/久保田和馬