大谷亮平と本田翼、タブーを扱うドラマ『チェイス』に懸ける思いとは?|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
大谷亮平と本田翼、タブーを扱うドラマ『チェイス』に懸ける思いとは?

インタビュー

大谷亮平と本田翼、タブーを扱うドラマ『チェイス』に懸ける思いとは?

Amazonプライム・ビデオのオリジナルドラマシリーズ『チェイス 第1章』(12月22日より見放題独占配信中)で、W主演を務めた大谷亮平と本田翼にインタビュー。本作は社会のタブーに斬り込んだ野心作で、2人は未解決事件に挑む凸凹バディを演じた。

フリーのジャーナリスト・三上一樹(大谷亮平)と、BSテレビ新米AD・相沢麻衣(本田翼)が追うのは、27年前に起こった5つの幼女誘拐殺人事件だ。2人は捜査をするうちに、冤罪と同時に国家権力をも揺るがす衝撃の真実を目の当たりにする。

脚本を『海猿』や『HERO』シリーズの福田靖が手掛け、総監督を『神様のカルテ』シリーズの深川栄洋が務めた。

自らの信念の下、事件の真相を執念深く捜査していく三上について大谷は「いろんなことに動じない人。冷徹なくらい自分の目的意識に向けて突き進む人」と捉え、その人間性にとても惹かれたと言う。

「三上は元々大手の新聞社に勤めていて、そこでしがらみを感じてフリーになった人間なので、そういうところを意識して演じました。麻衣はすごく正義感が強くて情に流されやすく、少しでもこちらが油断するとそっちに引っ張られがちになるので、そうならないようにと意識しました。自分自身、絶対に曲げない部分がある三上には、男として憧れます」。

本田は「頑張りすぎない麻衣」を演じようと努めた。「何かを頼まれて『はい、わかりました!』と即答する何でもかんでも頑張る女の子ではなく、『ああ、面倒くさい』とか、人間が当たり前に抱く感情を敢えて出していこうと思いました。TVドラマだとそういう部分は消されがちなので、やる気のなさや雑な部分を大事にしました。でも、麻衣ちゃんは事件のご遺族に会うとすごく感情移入してしまう。そういう良い部分はちゃんと取っておかないといけなかったから、両方のバランスに気を遣いました」。

麻衣が合コンに行って酔っぱらったり、二日酔いになったりするシーンは何度も登場する。「通常そういうシーンは描かないことが多いけど、今回はそういうところもちゃんと描いているので、やっていて楽しかったです」という本田。酔っぱらいながらピカチュウを色々とアレンジしながらモノマネをするシーンは最高に愛らしい。

大谷は「あの“セクシー・ピカチュウ”が良かった(笑)。わあ、こんなシーンやっていたんだと思って見てました」と大ウケ。

本田は「あのシーンは深川監督がなかなかカットをかけてくれなくて」と苦笑い。「だからピカチュウのシーンはけっこうアドリブが多かったです。麻衣ちゃんの設定が24歳、社会人2年目ということで、きっと合コンなども行っているのかなと思って演じました。自分はやっていてめちゃくちゃ恥ずかしかったんですが、観ている方に身近に感じてほしいと思って頑張りました」。

冷静な三上と、感情的な麻衣の凸凹コンビが本作の見どころの1つだ。本田は「大谷さんがずっと三上に徹してくださっていたので、私も自然にやっていけました。噛み合わない感じが良かったのかな」と言うと、大谷も「凸凹感を敢えて作っていった感じです。あまり寄り添う必要がなかったので、成り行きというか、そういう設定をお互いに守った上でああいう形になりました」と互いに掛け合いを楽しんだようだ。

初共演の印象について尋ねると、大谷は本田について「僕はお会いする前のイメージと近かったです。麻衣と本田さんが僕の中で重なる部分もあったので、ギャップを感じることがなくて。普段の感じはもちろん、思い切りの良さもそのままでした」と語った。

本田が「大谷さんは見た目がワイルドな印象だったので、ハードボイルドな感じなのかなと思ったけど、お会いしたら全然違っていました。普段は関西弁で話されるんですが、よく笑うし、とても朗らかな方だと思いました」と言うと、大谷は「普段は笑わないし、無表情だねと言われたりするんですが…」と、本田の自分に対する印象をかなり意外に思ったようだ。

本田が「いやいや、よく笑ってますし、現場でも笑いを堪えていましたよ。いや、吹き出したこともありましたからね」とツッコむと、大谷は「本田さんはキュートな演技が可愛いし、頑張っているから応援したくなるんです。三上はそっちに行っちゃいけないんだけど、どうしても引っ張られそうになって、もがいていたんですよ」と楽しそうに笑った。

最後に、ネット配信ドラマならではの斬新な内容の本作に懸けた思いをそれぞれに聞いた。大谷は「今回“挑戦”というキーワードが多かったです」と並々ならぬ思いを告白。「役柄もそうだったし、ドラマといえど、踏み込んでいく勇気が必要だと思いました。それこそ上の方々の男気や熱意を僕自身もすごく感じたし、それがエネルギーになりました。ネット配信だからこそできるドラマだから思い切ってやってみようとトライしましたが、参加すること自体にすごく意義があると思いました」。

本田も「地上波が絶対に踏み込まないタブーをやろうという発想自体がすごいと思いました。ネット配信ドラマは人に選んで観てもらう作品なので、何か特徴がある作品をやりたいと私自身も思っていました。今回なら未解決事件や国家権力に対する疑惑など、普段地上波じゃ放送できない題材のドラマをやることについて私もすごく意義を感じました」と語った。

取材・文/山崎 伸子

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