授賞式からおなじみの有名ブランドが消えた!?【GG賞ベスト・ドレッサー編】
映画界の重鎮であるハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ疑惑に端を発し、騒然となった2017年のハリウッド。現地時間の1月7日に行われた第75回ゴールデン・グローブ賞の授賞式でもそれらの影響が色濃く、女優たちの「Time’s up!」の呼びかけで、ほとんどの女優たちが黒い衣装でレッドカーペットを歩いた。
「まるで映画界のお葬式」「ファッションが楽しみなのに」「これって宗教?」と黒い衣装への反発の声もあがったが、さすがはセレブ。思い思いの衣装と小物遣いで、今年も私たちを楽しませてくれた。Usウィークリー誌などの多数メディアをもとに、ベストドレッサーをまとめてみた。
どのメディアもベストドレッサーに挙げていたのが、以下の5人だ。
・ダイアン・クルーガーの、シアードレスとケープが特徴的なプラダのセクシーなドレスに、フレッド・レイトンのジュエリー。
・アリシア・ヴィキャンデルの、スタンドネックに長袖のシルエットで大きく開いた背中が印象的な光沢のあるルイ・ヴィトンのドレスと、ブルガリの上品なジュエリー。
・アリソン・ブリーの、ヴァシリス・ゾウリアスのビスチェドレスに、巨大なブルガリのダイヤモンドネックレス。
・ニコール・キッドマンの、トップにスワロフスキーがちりばめられ、背中のレースに特徴があるジバンシーのオートクチュールドレス。
・イッサ・レイの、プランジネックに左腿まで大きくスリットの入った、光沢のあるプラバル・グルンのドレス。
キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、トレイシー・エリス・ロス、ジェシカ・ビールなどがそれに次ぐ評価で、アンジェリーナ・ジョリーのアトリエ・ヴェルサーチのシアードレスにフェザーがあしらわれたケープはハリウッドグラマーの代表格と評価が高かった。
また、ダコタ・ジョンソン、マーゴット・ロビー、シアーシャ・ローナン、ミリー・ボビー・ブラウン、ゾーイ・クラヴィッツら若手の台頭も目立った。
他には、メアリー・J・ブライジ、マンディ・ムーア、ケリー・ワシントン、ヴィオラ・デイヴィス、真っ黒ではないがスモーキーグレーのナオミ・キャンベルのワンショルダーのジャン・ポール・ゴルチェのドレスが大絶賛されている。
しかし今回、ドレスが黒かったのと同様にセクハラ問題が大きく影響して同賞のイメージを変えたのは、なんといっても賞レースの定番であるマルケッサのドレスが消えたことだろう。
それというのも、マルケッサの共同創設者でデザイナーの1人であるジョルジーナ・チャップマンが、ハーヴェイ・ワインスタインの妻だったからだ。セクハラ問題でジョルジーナはハーヴェイと離婚しており、同情を受けてもいい立場に見えるが「これまではハーヴェイからの強制で、マルケッサのドレスを着ていた」と発言する女優も出てきており、「妻も知らなかったはずがない!」と共犯者扱い。ブランド存亡の危機に陥っている。
このような流れを受け、現地時間3月4日に行われる第90回アカデミー賞授賞式では、受賞結果並みにファッション動向に注目が集まるといっても過言ではなさそうだ。
NY在住/JUNKO