“ラブコメの帝王”ヒュー・グラントが自虐ネタを炸裂!監督から直々に「落ち目の俳優にぴったり」
世界中で半世紀以上愛されつづけている絵本を映画化した『パディントン2』のジャパンプレミアがTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、来日中のヒュー・グラントとヒュー・ボネヴィル、そして日本語吹替版で声優を務めた斎藤工と三戸なつめがレッドカーペットを練り歩きファンと触れ合った。
本作は世界中で興行収入328億円を超える大ヒットを記録した『パディントン』の続編。ブラウンさん一家と幸せに暮らし、すっかりロンドンっ子になったパディントンは、大好きなルーシー伯母さんにプレゼントする絵本を買うためにアルバイトを始める。ところがある日、その絵本が盗まれる現場にたまたま居合わせてしまい、無実の罪で逮捕されてしまうのだ。
90年代から“ラブコメの帝王”として日本でも高い人気を誇ってきたグラントはこれが8年ぶりの来日。一方、人気海外ドラマ「ダウントン・アビー」や「ホロウ・クラウン/嘆きの王冠」などで知られるボネヴィルは今回が初来日。2人はファンの声援に応えながら丁寧にサインや握手をして回り、ファンと一緒にセルフィーを撮る一幕も。英国紳士らしいサービス旺盛な振る舞いに、会場は黄色い歓声で包まれた。
その後、会場を移して行われた舞台挨拶でも熱狂的に迎えられたグラントとボネヴィルの2人。ボネヴィルは「あたたかく迎えてくれてありがとうございます。2作目は前作以上に気に入ってもらえるはずです」と笑顔でコメントし、グラントは「自分がいままで出演してきた中で、この作品がベストだ」と自信たっぷりにコメント。
劇中では落ち目の俳優ブキャナンを演じたグラントは、オファーをもらった時を振り返り「監督から手紙をもらい『かつて有名だった俳優が落ちぶれて、自己愛に溢れたキャラクター。君にぴったりだと思う』と書かれていた。正直傷ついたよ」と自虐ネタで笑いを誘った。
99年に世界中で大ヒットしたラブコメディ映画『ノッティングヒルの恋人』で共演したグラントとボネヴィルの“Wヒュー”。19年ぶりに共演した2人の仲睦まじいエピソードを明かしたグラント。「当時の撮影現場で毎日のようにボネヴィルを押し倒してキスをしていた。今回の現場でもそれをやってみたんだが、年のせいかボネヴィルは背中を痛めて撮影が押してしまったんだ」。
するとボネヴィルは「グラントは見た目も中身も19年前と変わっていない。お金をいっぱいかけていじってるんじゃないか?」と、仲の良い2人だからこそできるコミカルなやりとりで会場を沸かせつづけた。
そんな中、グラントが演じた役の吹替えキャストに抜擢されたことについて「僕でいいのかなと思いました」と振り返った斎藤は「近年のグラントさんのコメディラインの振り幅の広さに興味を持っている」と、監督としても俳優としても活躍する斎藤らしい視点でその秘訣を訊ねる。するとグラントはすぐさま「もっと歳を重ねて醜くなればやり甲斐のある役が舞い込んでくるよ」と、またしても自虐ネタで笑いを取った。
取材・文/久保田和馬