“東野圭吾作品に外れナシ”を実証した『祈りの幕が下りる時』は監督の手腕によるところも
1月最終週も肌寒い日々が続いたが、映画館はそんな厳しい寒さを吹き飛ばす熱気にあふれていたようだ。1月27・28日の全国映画動員ランキングで先週の『ジオストーム』から首位を奪ったのは、阿部寛主演のミステリー『祈りの幕が下りる時』。
「新参者」シリーズ完結編がロケットスタート
東野圭吾原作の「新参者」シリーズの完結編となる本作は、土日2日間で動員20万6000人、興収2億6500万円を記録する幸先のよいスタートとなった。これは前作『麒麟の翼 劇場版・新参者』(11)の初日2日間の成績(興収2億7640万)と遜色ない成績で、同作の最終興収16億8000万円が目標となりそう。
これまでにも数々の著作が映画化されてきた東野圭吾作品。昨年公開された『ナミヤ雑貨店の奇蹟』も初登場1位を記録するなど、“東野圭吾作品に外れナシ”と言われるが、もちろん監督の手腕によるところも大きい。本作の監督・福澤克雄は阿部が主演した「下町ロケット」をはじめ「半沢直樹」「陸王」など、池井戸潤原作のTBS日曜劇場の話題作を手掛けたヒットメーカーで、ミステリーでありながら人間ドラマの色が強い本シリーズにマッチしていたと言える。
ちなみに東野作品の映画化は、櫻井翔が謎多き事件に挑む大学教授を演じる『ラプラスの魔女』(5月4日公開)、篠原涼子と西島秀俊が夫婦役で初共演する『人魚の眠る家』(11月公開)が控えている。前者は東野作品初挑戦の三池崇史、後者は『天空の蜂』(15)に次いで2作目となる堤幸彦が手掛けるなど、それぞれどのように原作を料理してくれるのかに注目だ。
鑑賞後の満足度高し!『ジオストーム』も好調
1つ順位を落とした『ジオストーム』だが、土日2日間で動員11万4000人、興収1億6900万円と好調をキープ。普段、洋画をあまり観ないと言われる10~20代の若年層から絶大な支持を得て、配給調べによる映画鑑賞後の満足度調査で23歳以下の男女に限定すると、なんと100%という恐るべき数字を打ち立てた。2週合計で累計動員は47万人、累計興収は6億6300万円を突破した。
2018年もファンが後押し!『ヤマト』好発進
その他の初登場作品では9位に『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第四章「天命篇」』がランクイン。シリーズ4作目で、ヤマトの好敵手デスラーの再登場も大きな話題となっている。全国でわずか29館での公開ながら、今回も根強いファンに支えられて好スタートを見せた。10位にはスティーヴン・キング原作の『ダークタワー』が同じく初登場。
今週末には今年のアカデミー賞本命と言われる『スリー・ビルボード』が全国130館近い劇場で上映がスタートとなる。映画好きへの知名度は抜群だが、どれだけ観客を集めるのかが楽しみだ。
文/トライワークス
1位 祈りの幕が下りる時
2位 ジオストーム
3位 嘘を愛する女
4位 パディントン2
5位 スター・ウォーズ/最後のジェダイ
6位 キングスマン:ゴールデン・サークル
7位 8年越しの花嫁 奇跡の実話
8位 DESTINY 鎌倉ものがたり
9位 宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第四章「天命篇」
10位 ダークタワー
※興行通信社調べ