高嶋政宏がメカゴジラとの思い出を語る「撮影現場は“黒澤明監督のいない黒澤組”だった」

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高嶋政宏がメカゴジラとの思い出を語る「撮影現場は“黒澤明監督のいない黒澤組”だった」

2月4日(日)に85年の歴史に幕を下ろす東京・有楽町を代表する映画館“日劇”。そのフィナーレを飾る「さよなら日劇ラストショウ」で3日、平成ゴジラシリーズ随一の人気作『ゴジラVSメカゴジラ』(93)が上映され、本作に出演していた高嶋政宏、メガホンをとった大河原孝夫監督、富山省吾プロデューサーが登壇。25年前の思い出話に花を咲かせた。

今回の上映イベントで販売されている限定バージョンのゴジラのフィギュアと一緒に登場した高嶋と富山「今日この日劇で、35mmフィルムで“ゴジラ”をご覧いただけるという得がたい体験をご一緒することができて嬉しく思います」と富山がコメントすると、熱狂的なゴジラファンで埋め尽くされた満席の場内からは大きな拍手が湧き上がった。

一方で高島は、初めてのゴジラ映画との出会いが『ゴジラ対メカゴジラ』(74)であったことを明かし「当時心を奪われたメカゴジラに出られるのかと思って、すごく興奮しました」と、本作への出演が決まったときの心情を振り返った。

劇中では実の父である高島忠夫と共演。「メモリアルですよね」とにこやかに語った高嶋は「うちは家族ほとんど出ているんです。来年ぐらいシルビアも出たらいいんじゃないかと思っています」と会場の笑いを誘った。父・忠夫は『キングコング対ゴジラ』(62)や『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』(67)に出演し、弟の高嶋政伸は『ゴジラVSビオランテ』(89)に出演している。

撮影当時の思い出について、高嶋は「東宝で撮るゴジラ映画というのは“黒澤明監督のいらっしゃらない黒澤組”なんです。スタッフさんはほとんど黒澤組で、まさに映画の金字塔とも言える現場です」と明かし「スタッフさんによく『お前のキャラクターはなんなんだ。ひょうきんに演じたいのか?男っぽく演じたいのか?』と責められました」と、ベテランスタッフからしごかれたエピソードを披露した。

いよいよ4日に閉館を迎えた日劇の思い出を訊かれた高嶋は「よくデートで来ていた忘れられない場所です。なくなるというのは信じられません」と、せつなそうな表情。富山も「仕事における中心地でした。ヘソがなくなってしまうような寂しさがあります」と、それぞれが思い出深い大劇場との別れを惜しんだ。

文/久保田和馬

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