目力だけでこのインパクト!新生「ウルフマン」のビジュアルやいかに!
ハリウッド・ホラーの定番として知られる狼男映画に、新たな名作『ウルフマン』(4月23日公開)が誕生! 古典の持ち味を生かしつつ最新の技術を駆使したこの作品、必見なのは、やはりウルフマンのビジュアルだろう。人間と狼の狭間というこの異色のモンスター、まずは“変身”シーンに目を奪われる。
腕や足の筋肉が、バキバキッと音が聞こえてくるかのごとく裂けるように伸びる。爪はにょきにょきと長くなり、全身が太く固い毛で覆われていく。その過程といったら、まるで自分の体にも異変が起こりそうなほどの圧倒的リアリティ。さらに、目がきらーんとあやしく光れば、そこにいるのはもう人ではなく、血に飢えた獣! ゾゾーッと背筋が凍るような戦慄が走る。
CGはもちろん使ってはいるものの、ウルフマンのキモとなるのは、現実感にこだわったという驚異の特殊メイク技術だ。手掛けたのは、6度のアカデミー賞に輝く巨匠リック・ベイカー。マイケル・ジャクソンの「スリラー」を手掛けたことでも知られる彼は、狼男映画の代表作「狼男アメリカン」(81)でやはりリアルな変身シーンを創造しているが、本作ではさらなる匠の技を披露。最高傑作を生み出したといってもいいだろう。
主演のベニチオ・デル・トロは、メイクを施してもらっている時間をリック・ベイカーに「ひとつずつ魔法をかけられていくよう」だったと表現する。作り物のアゴや、鋭い犬歯がついた大きな入れ歯、ヤク(チベット、中央アジア産の毛の長い牛)の毛を使った毛むくじゃらのスーツなどをひとつずつ装着。メイクアップには毎回4時間もかかったというから驚きだ。そして、その完璧な変身ぶりが、狼男の野性を表現するうえで助けになったのは言うまでもない。
オリジナルは41年の『狼男』だが、リック・ベイカーは同作に敬意を払いつつも、「より凶暴で殺傷能力が高いウルフマン」を目指してアレンジしたとか。なるほど、闇を走り抜け、人を投げ飛ばし、歯をむき出しにしながら襲いかかるウルフマンの恐ろしさといったら! 残念ながらビジュアルは劇場公開までおあずけ。これは劇場で見るしかない!【トライワークス】