企画AV女優に初挑戦の城アンティア「脱ぐのにためらいはあった」
企画AV女優として生きる女性たちの素顔を描き、累計売上数40万部を記録する書籍&コミックの人気シリーズ「名前のない女たち」。同シリーズ2度目の映画化となる『名前のない女たち うそつき女』(上映中)で、ヒロインで企画AV女優の葉菜子を演じたのが城アンティア。舞台女優やモデルとして活躍する彼女が映画初主演作の現場で感じたことについて語ってくれた。
映画初主演は大きなチャレンジに
十代からモデルとして活動し、多摩大初代ミスコングランプリに輝くなどの経歴を持つ城にとって、映画への出演は大きなチャレンジだったようだ。「AV女優役ということでヌードになるのにさすがにためらいはありました。快く大丈夫だと言えなかったです」というのが偽りのない本音。「でも、オーディションから撮影まで2か月ぐらい時間があったので、心の準備はできましたね」と、次第に覚悟も決まっていったのだそう。
劇中ではヌードだけでなくもちろん、激しいからみのシーンもあり、彼女がまず挑戦したのは女性とのからみだった。「ご一緒させていただいた橘メアリーさんは本職の方で、レズビアンのシーンは初めてと言ってましたが、すごくうまかったです」と相手にリードされながら撮影に挑んだ。
脱ぐということだけでなく、彼女が戸惑ったというのが舞台と映画の芝居の違い。「ずっと舞台をやってきたので、声量も動きの大きさもこんな小さくていいのかなって戸惑いはありました。演じている感がないし、本当に伝わるのかな?」と、客席の一番遠くの人にも伝わるように演じる舞台と違い、カメラとマイクが些細なニュアンスも拾って大画面に映しだす映画は彼女にとっては独特に感じられたという。
彼氏とのラブシーンでは戸惑いも
本作を手掛けたのは“ピンク四天王”の一人として知られ、数々のピンク映画を送りだしてきたサトウトシキ監督。最初の撮影を経て次第に雰囲気はつかめてきたというものの、監督のやり方に苦労することも。「AVの撮影シーンは自分のイメージ通りに演じて問題なかったんですけど、彼氏との絡みのシーンでは『もっと受け身になれ』って言われることが多かったですね。ただ受け身といっても、下着ぐらい自分で脱ぐのかと思ったらそこも『相手に任せろ』って…」と監督との感覚の違いを感じながらの撮影は貴重な体験になったそう。
彼女は一見、おっとりした雰囲気で、ヒモである彼氏のためにAV女優をしている葉菜子とはかけ離れた性格のようにも感じられる。「葉菜ちゃんは優しくて、芯もあって、繊細で愛に飢えているような女の子だと思うんです。思うことがうまく言えなかったり、一人でいたいけど、寂しく思う時もあったり、そんな部分が似ているようにも感じました」と自分を重ねながら演じていたのだとか。
今回は大胆な艶技を見せてくれたが、残念なことに彼女の美しい裸身が見られるのは今回限りのようだ。「この作品で脱いだことに意味があると思うんです。2回、3回と続けたら、話題性も自分自身も落ちるし、1回きりを大事にしたいです。映画もドラマも起用してくれる方がいてこそですが…」と控えめに答えてくれたが、2018年は映画やテレビでのさらなる活躍が期待できそうだ。
取材・文/トライワークス