初監督作でいきなりオスカーノミネート!映画に愛される女優グレタ・ガーウィグの魅力とは?
昨今、インディーズ映画界の雄として頭角を現していた女優グレタ・ガーウィグ。彼女が単独監督デビューした映画『レディ・バード』(6月公開)が、第90回アカデミー賞の作品賞、監督賞など主要5部門にノミネートされるなど、名だたる賞レースを席巻!そんないきなりの快挙を見せてくれた彼女のキャリアとその魅力を、授賞式前におさらいしておこう。
グレタは現在34歳。元は脚本家志望であったが、大学在学中からインディーズ映画に出演し始める。『ハンナだけど、生きていく!』(07)や『フランシス・ハ』(12)では脚本と主演を手掛け、後者ではゴールデン・グローブ賞女優賞にノミネート。2014年にはベルリン国際映画祭の審査員に選ばれ、次世代クリエイターとして一躍注目を集める。
私生活での恋人であるノア・バームバック監督作にも多く出演するほか、マイク・ミルズ、ウェス・アンダーソンら名監督たちにも愛されているグレタ。彼女は不器用で等身大、夢見がちでかつ自虐的な役柄がぴたりとハマるコメディエンヌだが、カジュアルなファッションをラフに着こなし、モテないわけでもないのに、どこかイタくて笑える。そんな姿を自然体で魅せる絶妙のセンスこそ、グレタの魅力だ。
初監督した『レディ・バード』は、グレタの地元サクラメントを舞台にした自伝的な内容。『ブルックリン』(15)のシアーシャ・ローナンを主役に、カトリック系女子高に通う悩める高校生の青春をユーモラスに描く。グレタの作品らしく、決して甘酸っぱくキラキラ度が全開の青春モノではなく、思春期特有の黒歴史的な中二病をまざまざと見せつけるような語り口。全米4館の限定公開をヒットさせ口コミで話題を呼び、全米1558館で拡大公開したという驚異的な出世作だ。
監督としても独自の世界観を表現し、それを成功させているグレタ。多彩な才能を発揮する彼女から、ますます目が離せない!
文/トライワークス