濱田龍臣、熱すぎる“ウルトラマン愛”を語る「ウルトラマンは永遠のヒーローです!」
半世紀以上の歴史を誇るウルトラマンシリーズの劇場版最新作『劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!』が3月10日(土)から公開される。強大な敵を前に地球を救うことを託されたウルトラマンジードこと朝倉リクを演じる濱田龍臣は、17歳にしてすでに10年以上の芸歴を誇るベテランだ。
衣装や髪型も劇中と同じにしてインタビューの場に現れた濱田は、まさに劇中の“朝倉リク”そのもの。「ウルトラマンになる」という夢を実現した彼に、万感の思いを語ってもらった。
「10歳で『劇場版 ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』(10)に出演させてもらった時に大喜びして、これなら20歳にはウルトラマンになれるねって家族と話してたんです」と振り返る。「そうしたら20歳になる前にこのお話をいただいて『え!?』って(笑)。正直なところ、驚きが一番大きかったですね」。
“超”が付くほどの「ウルトラマン」ファンとして知られる彼は、インタビュー中もウルトラマンへの愛を語りだすと止まらない。ひとりのファンとして、心から楽しんでウルトラマンを演じていることが作品からも伝わってくるほどだ。ウルトラヒーローに憧れていた立場から、憧れられる立場になったことに「こんな感じなんだなって、むずむずしますね」とはにかむ。
そんな彼が演じるリクは、悪のウルトラマンベリアル(濱田が10歳の時に出演した映画で敵役だったウルトラマン)の息子という複雑なバックグラウンドを持ちながら、ヒーローに憧れ、特撮番組「爆裂戦記ドンシャイン」が大好きな明るい少年だ。監督の坂本浩一とイメージをすりあわせながら作り上げていったリクのキャラクターに、濱田は「自分と似ている部分が多いので、演じやすいし楽しい」と目を輝かせる。
「特オタ(特撮オタク)のフリーターって設定にも親近感があるというか、オタク気質なところが僕にもあるので…大丈夫か、こいつ?って思っちゃいますけど(笑)」と明かす濱田。そして本作におけるウルトラマンへの変身にちなんで「普段の生活から朝倉リクへ濱田龍臣が“フュージョンライズ”しています」と、したり顔を見せた。
そしてさらに“ウルトラマン愛”を炸裂させる濱田。現場で『ウルトラマンX』や『ウルトラマンオーブ』の主題歌を熱唱して共演者からうるさがられたエピソードや、『ウルトラマンマックス』でミズキ隊員を演じた長谷部瞳と本作で共演したことの喜び、さらにテレビ放送回の好きなエピソードとして「『ドンシャイン』がリクの心の軸になっていると感じられた第17話と、実相寺昭雄監督をリスペクトする田口清隆監督が演出された第11話と第12話が好きです」と語った。
そんな彼に、お気に入りのウルトラヒロイン像を訊いてみると『ウルトラマンオーブ』の“キャップ”こと夢野ナオミだと即答。「SSP(同作でナオミたちが運営している怪奇現象を追跡するチーム)の活動に熱心で、バイトを掛け持ちして必死に生きているのがすごく身近に感じられる」と、リクを演じる彼らしい独特の萌えポイントを挙げた。
子どものころから夢だったウルトラマンになった濱田は「去年の7月に番組が始まった時から、1年間はウルトラに尽くそうと決めました」とウルトラマンひと筋を宣言。「いまも毎週地方で行なっているイベントや、この映画の上映が終わって、作品としてひとつの区切りを迎えるまで全力で突っ走っていこうと思います」とやる気をみなぎらせる。次の目標については「終わってからゆっくり考えます」と笑った。
現在放送中の、本作と同じ坂本浩一監督が手掛ける「モブサイコ100」では主演を務め、4月からは「花のち晴れ~花男Next Season~」へのレギュラー出演が控えているなど、ひとりの俳優としての大躍進が期待される濱田の将来性は計り知れない。
最後に「ウルトラマンとはどういう存在か?」と訊ねてみた。すると彼は、リクを思わせる満面の笑顔で答えた。「永遠のヒーローです!」。
取材・文/久保田 和馬