『フィリップ、きみを愛してる!』米公開3度延期の理由は“ゲイ過ぎ”?
日本や英国ではすでに公開されている、ジム・キャリーとユアン・マクレガー主演の『フィリップ、きみを愛してる!』の米国公開日が3度も延期になり、公開を危ぶむ声すらあがっている。
IMDbなど複数のメディアが伝える情報によれば、当初の公開予定は2月12日になっていたが、それが3月26日になり、次は4月30日に延期され、最新の公開予定日は7月30日と発表されている。
しかし、英国タイムズ紙によれば、懐疑的な米国の映画関係者の中には、最終的には非公開でDVD発売のみになるのではと予想する人々もいるという。ゲイをテーマにした映画は、これまでにも『ブロークバック・マウンテン』(05)や『ミルク』(08)などがあったが、いずれも社会派の真面目な作品。それに比べると『フィリップ、きみを愛してる!』はあっけらかんとしたロマコメで、ゲイセックスの描写もあからさまだ。同性愛に関して保守的な考えを持つ人の多い米国では、劇場公開はリスキーだと考える業界関係者も多いという。
ゲイ映画といえば“アート系”や“社会派”である米国では、ビッグスターを主演カップルに起用した“同性愛ロマコメ”は早過ぎるということなのかもしれない。
【UK在住/ブレイディみかこ】
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