福士蒼汰&古川雄輝が『曇天に笑う』で紡いだ関係に、桐山漣が「萌えました!」
唐々煙の人気コミックを映画化した『曇天に笑う』(3月21日公開)。イケメン俳優が集結し、迫力のアクションとともに、男たちの熱き戦いと絆を体現した。物語の舞台となった滋賀県大津市で福士蒼汰、古川雄輝、桐山漣を直撃。漫画原作に挑む覚悟や、共演の感想を振り返ってもらった。
明治初頭を舞台に、国の平和を守ることを生業とする曇三兄弟と、彼らを中心に強く美しく戦う者たちが、それぞれの運命に挑んでいく本作。福士が曇三兄弟の長男で、笑顔を絶やさない頼れるアニキ・曇天火。古川が右大臣直属の部隊「犲(やまいぬ)」の隊長・安倍蒼世、桐山が曇家の居候・金城白子を演じた。漫画原作に臨むうえで、それぞれどんなことを大切にしたのだろうか。
福士は「天火と言えば、やはり笑顔。いつも笑顔だけれど、兄弟たちの前では明るく振る舞う笑顔、蒼世に見せる笑顔は幼いころから知っている仲だからこそ出てくる笑顔など、それぞれ違ってくるのではないかと思いました。常に、天火の笑顔やエネルギーの源はどこにあるんだろうと考える作業をしていたように感じます。また、今回は天火らしさを大切にするために、ビジュアル面もなるべく寄せていきたかったんです。イヤリングをつけるかつけないかは本番ギリギリまで悩んだりと、原作どおりにやるのか、そのまま実写でやるとやり過ぎになるか、そのバランスはとても難しいと思いました」と語る。
「蒼世はとてもクールであまり話さないキャラクターであるぶん、目線や動きひとつがとても意味を持ってしまうので、そのシーンでの立ち位置や行動一つ一つ、しっかりと意識して撮影に臨んでいました」と語るのは、古川。「また漫画原作の時はいつもそうなんですが、気になったシーンの描写や表情があったら、必ず携帯で写真に収めるようにしているんです。漫画を読んで映画を観に来られる方もたくさんいらっしゃるので、原作の蒼世のイメージを大切にしたいと思っていました。今回はアニメの声も意識して、いつも以上に低い声で演じています」。
桐山は「白子の持つ、色気とミステリアスさを大切に演じたいと思っていました」と、キャラクターの魅力を体現しようとしたそう。「僕も古川くんと同じで、たくさんのファンの方がいらっしゃる原作なので、漫画もアニメも見られるものはすべてチェックして、撮影に臨みました。そして僕自身、そこからキャッチしたものに素直に反応して、白子に落とし込んでいこうと。白子のマインドを表現するのは、難しくもありました。曇家の居候で、空丸や宙太郎のもう一人の兄のような存在でありながら、元は風魔の忍者でもある。優しさとともに、異質さも持たなければいけないと思っていました」。
迫力のバトルも見どころの本作。リアルなアクションを目指して撮影前からトレーニングを積んだそうだが、それぞれに苦労があった様子だ。
福士は、これまで培った武術が本作に活きたという。「カリという武術をずっと習っているのですが、今回のアクションでは、それを活かすことができました。ただ下駄でのアクションが本当に大変でした(苦笑)。例えるなら、フローリングの上をずっと裸足で走っている感覚です。足の親指が痛くて痛くて。舞台『髑髏城の七人 Season月』では雪駄でのアクションにチャレンジしましたが、下駄と雪駄では、実は感覚も苦労もそれぞれ違うんです。着流しでのアクションも続いているので、時代劇アクションの経験を重ねることができてうれしかったです」。
アクション初挑戦となった古川は、その苦労を語る。「最初は『カットごとに分けて撮るから大丈夫』と言われていたのに、いざ撮影に入ってみたらすべて一連で撮ると。さらに本作は曇天狙いで撮影をするので、できる時間も限られているというプレッシャーもあって。現場では、皆さんについていくので必死でした。僕はこれまでもクールなキャラクターをいろいろと演じているんですが、“クールで貧弱”という役が多くて(笑)。蒼世のようにクールかつ、身体的に強いというキャラクターは初めて。初めてのアクションで、蒼世として余裕を持ったアクションをやるということが、とても難しかったです」。
桐山はクランクイン前に準備を重ねたという。「白子は元風魔なので、瞬発力が問われると思っていました。撮影前にも、できる限りの時間を使ってボディメイクやトレーニングをしました。今回、こういった時代劇アクションで真ん中に立っている蒼汰を見て、とても頼もしく感じました。蒼汰とは6、7年ぶりの再会でしたが、がっつりと共演して、多くの時間を一緒に過ごすことができました。座長としての佇まいを感じたし、蒼汰の人柄が今回の作品を引っ張って行ってくれたと思います」。
「漣くんはいつも優しくて、包容力がある。会話をする時の“声の出だし”から優しい(笑)」と福士が言うと、桐山は「それは初めて言われたな。僕の声に、リラックス効果があるのかな(笑)」と笑う。
男たちがぶつかり合う本作とあって、本広克行監督は「女性たちに萌えてほしい」との思惑もあったそう。最後に「このシーンは萌える!」というオススメの場面を教えてもらった。
福士「白子がアイロンをかけているところです!」
古川「漣さんが料理をするシーン!あの家庭的なシーンは、僕も見ていて『おお!』と思いました」。
桐山「あはは!僕は、天火と蒼世の関係性に萌えましたね。天火が犲をやめてしまって、そういった確執もありながら、不思議な絆もある。この2人はいいなと思って観ていました」。
男たちの新たなチャレンジが詰まった本作。ぜひスクリーンで、その輝きを堪能してほしい。
取材・文/成田 おり枝