デル・トロ監督、FOXサーチライトとの専属契約で製作する作品とは?
『シェイプ・オブ・ウォーター』が今年のアカデミー賞13部門にノミネートされ、作品賞や監督賞を含む4部門を受賞したギレルモ・デル・トロ監督が、同作で製作と配給を担当したFOXサーチライト・ピクチャーズとオーバーオール・ディールと呼ばれる専属契約を結んだと、同スタジオが発表した。
これは『シェイプ・オブ・ウォーター』の成功がきっかけとされており、今後ギレルモ・デル・トロが監督、脚本、製作を手掛ける実写映画のプロジェクトはすべてFOXサーチライト・ピクチャーズで行われることになる。加えてFOXサーチライト・ピクチャーズは、新たな映画レーベルの設立も予定しているらしく、デル・トロ監督はその新しいレーベルでホラーやSF、ファンタジーといったジャンルの作品も手掛ける予定だそうだ。専属契約後の第1弾作品は『クレイジー・ハート』(10)や『ブラック・スキャンダル』(15) を手掛けたスコット・クーパーがメガホンを取る映画『Antlers(原題)』。ギレルモ・デル・トロはこちらにプロデューサーとして参加する。
デル・トロ監督は「私は長い間、新しい声を届ける知的で独創的な、私固有のジャンルの作品を製作できる環境を探してきました。FOXサーチライト・ピクチャーズと契約したことで、実写作品の製作における真の基盤がみつかりました」
「このパートナシップは、いままでの努力とお互いに対する理解と信頼に基づくものです。『シェイプ・オブ・ウォーター』でFOXサーチライト・ピクチャーズと共にすばらしい経験をしたので、この関係を継続することができ光栄に感じています」と語った。
FOXサーチライト・ピクチャーズを含む20世紀フォックスの映画事業がディズニーによって買収されるというニュースが去年の年末に報道され、今後ディズニーがフォックスの製作する作品にどのように関わってくるかが注目されている。
実はディズニーは8年前、デル・トロ監督に『ホーンテッドマンション』(03)のリメイク版の脚本と製作を依頼した事がある。その後同作は保留状態だが、フォックスがディズニーに買収されることにより、デル・トロ監督が今後同作のリメイクを含め、新しいディズニー映画の監督をする可能性もあるかもしれない。
LA在住/小池かおる