泣く泣く切った未公開シーンとは?『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』のボーナスコンテンツがすごい
国内興収75億円、観客動員500万人超えの大ヒットとなった『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』が先行デジタル配信中、4月25日(水)にMovieNEXがリリース。約2時間40分とたっぷり用意されたボーナスコンテンツで興味深いのは「これを切ってしまったのか!」と驚愕する未公開シーンたちだ。
最後のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーを巡り、帝国軍の残党であるファースト・オーダーと、レジスタンスたちとの戦いが繰り広げられる本作。『LOOPER/ルーパー』(12)のライアン・ジョンソン監督が重責のメガホンをとった。
未公開シーンについては、ライアン・ジョンソン監督がそれぞれの映像に興味深いコメントを寄せている。監督がこだわったのは全体的なストーリーの流れやテンポ感で、なかには「ナイフで心臓を刺されるくらいカットするのが辛かった」と言うシーンもある。
本編のハイライトの1つが、デイジー・リドリー演じるヒロインのレイと、最高指導者スノークとの対峙シーンだが、この重要なシーンはもう少し長かった。カイロ・レンも交えた3人で織りなす名シーンだが、監督は息を呑むような緊迫感を切らさないよう、容赦なくタイトに編集した。それがいまの完成形ということで、ここはおおいに納得。
本作で新登場したキャラクターたちも話題に。ジョン・ボイエガ演じるフィンと絡んでいくのが、日本ではほぼ無名に近かった女優ケリー・マリー・トラン演じるローズ・ティコや、ベニチオ・デル・トロ演じるDJだ。
今回のフィンは、デイジー・リドリー演じるレイとは別行動をとるので、この2人とタッグを組み、スノークが拠点とするメガ・スター・デストロイヤーに突入するというくだりは、見せ場の1つと言える。実はこのシーンの2人のやりとりには、もう少し余白があったよう。
フィンといえば、敵方・ファースト・オーダーから脱走した元ストームトルーパーだが、本作では元上司である女戦士、キャプテン・ファズマと一騎打ちするシーンも見ものだ。キャプテン・ファズマは、シリーズ初の女性ヴィランとして人気も高いが、2人の対決シーンでカットされた映像には大興奮。
さらに、フィンとローズが馬(ファルサー)に乗って、カジノに突撃するシーンは、実に楽しい活劇シーンとなっていた。このくだりは、ライアン・ジョンソン監督もお気に入りのシーンらしいが、ここも大幅にカットされている。
特にカジノの会場には、ギャラリーにもご注目。バラエティーに富んだクリーチャーたちがプレイヤーとして登場しているが、未公開映像を観ると、本編よりもさらに多くのクリーチャーがいたことが判明。本編と比べて、隅々までチェックしてほしい
『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』本編はシリーズ最長の152分となったが、決して中だるみすることなく、壮大な「スター・ウォーズ・サーガ」を引き継ぐ1本に仕上げられたのは、ライアン・ジョンソン監督の手腕によるところが大きいのではないか。
実際、『スター・ウォーズ』未公開映像は、どれも単体で観るとファンをうならせるシーンばかりだが、ライアン・ジョンソン監督はあくまでも映画全体を俯瞰で観て、必要ないと思ったシーンについては、容赦なくバッサリとナタを振り落としている。とはいえ、監督やキャスト、スタッフ陣の情熱はすべてのシーンに注がれているので、未公開シーンもじっくりと堪能してみてほしい。
ボーナスコンテンツには、ほかにもライアン・ジョンソン監督らスタッフやキャスト陣のバックステージでの奮闘を記録したドキュメンタリーやレアなメイキング映像やインタビュー映像が盛りだくさんに収録されている。また、驚異的な映像美も体感できる『スター・ウォーズ』初の4KUltra HD版も話題だ。今後も「スター・ウォーズ」シリーズは続いていくので、早速保存版としてチェックしてみてほしい。
『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は先行デジタル配信中、4月25日(水)にMovieNEXがリリース予定だ。
取材・文/山崎 伸子