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「1Q84」に登場するコミューン団体のモデルが映画に登場?

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「1Q84」に登場するコミューン団体のモデルが映画に登場?

幼少時の1年間、コミューン団体の教育施設に預けられた女性の姿を軸に、家族の在りかたを問う骨太なドキュメンタリー映画が登場。それが公開中の『アヒルの子』だ。

映画の主人公は、東京でひとり暮らしをしながら専門学校に通う女性・小野さやか。本作の監督でもある。彼女は、5歳の時に家族のもとから離れ、コミューン団体・幸福会ヤマギシ会の幼年部に入れられた。そのことで、家族に捨てられたと思うようになり、二度と捨てられないように、常に“いい子”を演じていたという。本作は、そんな彼女の悲痛な叫びとともに、家族や自分と向き合っていく姿をリアルに綴る物語だ。

“幸福会ヤマギシ会”は、1953年に「山岸会」として発足した、農業・牧畜業を基盤としたコミューン団体。当初は、養鶏を中心にした小規模なコミューンだったが、60年代以降は多くの思想家や哲学者が参加するなど、次第に発展。80年代に入ると、子育て、環境問題に関心のある人から注目を集めるようになり、幸福社会を体現する子供たちを育てる教育施設“ヤマギシズム学園幼年部”を発足させた。小野監督はこの5期性にあたる。

ちなみに幸福会ヤマギシ会は、あのベストセラー小説「1Q84」に登場する、物語上、重要な役割を担うコミューン団体「さきがけ」のモデルになっていると噂されていて、大きな話題を集めている。また作中には、主人公と行動を共にする「さきがけ」で育った少女も登場。彼女の“幼少期を団体内部の教育施設で過ごした”という設定は、小野監督の境遇に通じるところもあって非常に興味深い。

長年抱え込んでいた悩みと向き合い、まっすぐに生きていこうとする主人公の姿が胸に染みる衝撃作だ。【トライワークス】

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