まだ観てないの!?元ネタを知らなくても『レディ・プレイヤー1』はドラマが超おもしろい!
全世界興収600億円以上、日本でも20億円超の大ヒットを記録している『レディ・プレイヤー1』(公開中)。日本人にもなじみ深いキャラクターが多数登場し、アニメや映画ファンを中心に話題を集めているが、そういった要素を知らなくても魅入ってしまうストーリーにこそ、実は本作が世界的ヒットを記録した秘密があった。
舞台は近未来、もう一つの現実=ヴァーチャル・リアリティ空間[オアシス]に隠された宝を巡る冒険が繰り広げられる本作。ゲーム性豊かなワクワクする展開もさることながら、最大の魅力は[オアシス]での冒険を経て、本当に大切なものに気付く成長ドラマである。
冒険、恋を通じて変わる想い…平凡な少年が真のヒーローになる!
[オアシス]では「パーシヴァル」と名乗り、創設者が死の間際に[オアシス]内に隠した宝=[オアシス]の運営権を探すウェイド。スラム育ちで多感な彼は、現実に悲観的で「貧乏から抜け出したい」という思いから、チームを組まず1人で行動していた。そんなある日、魅力的なアバター「アルテミス」と出会う。
勝ち気で確かな実力を持ち、なにより気の合う彼女に次第に心奪われるパーシヴァル。良いところを見せようと知識をひけらかしたり、2人で会う際、浮かれながら洋服を選んだり…と、空回りだけど必死な姿には共感を覚えるはず。だが、恋したのはあくまで仮想の存在。真の境遇を理解せず浮かれるパーシヴァルをアルテミスは突き放し、2人はギクシャク気味に…。
やがて宝の争奪戦が現実にも飛び火し、運営権をねらう組織・IOIに命を脅かされたウェイド。そんな彼を救ったのは現実世界のアルテミス=サマンサだった。互いの辛い境遇を理解し2人はより惹かれ合うが、IOIにサマンサが捕まってしまう。すると、それまで自分の欲求のために行動していたウェイドに「大切な人を守りたい」という強い想いが芽生える。冴えない主人公が1人の漢として悪に立ち向かう姿は、まさに胸アツだ。
仲間のためならどんな危険も…!熱い友情に号泣!
そんなウェイド/パーシヴァルを援護するのが、エイチ、ダイトウ、ショウら[オアシス]内の仲間たち。IOIの暴挙に対し結託、協力して謎解きに挑む。そしてウェイドが再び現実でピンチに陥った際、現実世界の3人が彼の前に現われ、窮地から救出。さらに友情を深めていく。
クライマックスとなる[オアシス]内での敵味方入り乱れての大乱闘シーンでは、ダイトウやエイチが自らを犠牲にしてパーシヴァルを宝へと近づけようとする。そんな絆あふれる展開には涙腺が刺激されること必至。仲間たちの強い想いに応え奮闘したウェイドが最後に下す決断は、友情、愛情といったリアルな感情を育んだ彼の成長を感じ取れるはず。
仮想世界という特殊な舞台ながら、描かれるのは普遍的なドラマの本作。恋や友情を通して、現実の嫌な部分だけでなく良さに気付くウェイドの姿には、現代を生きる誰もが共感でき、鑑賞後は爽やかな余韻を感じること間違いなし!
文/トライワークス