誘拐事件に原因不明の死…大富豪ゲティ家の“呪われた”エピソードとは!?
世界一の大富豪でありながら、誘拐された孫への身代金の支払いを拒否するという前代未聞の事件を、巨匠リドリー・スコット監督が映画化した『ゲティ家の身代金』(5月25日公開)。事件の当事者である石油王ジャン・ポール・ゲティとその家族には、実はこの事件だけでなく奇妙な逸話がいくつも存在する。
孫の誘拐事件が発生、多額の身代金を要求される
まず第一の事件が本作で描かれる誘拐事件。1973年7月、当時16歳だったジャン・ポール・ゲティの孫、ゲティ三世がローマで誘拐され、1700万ドルもの身代金を要求する脅迫状が届く。だが、ゲティは身代金の支払いを断固として拒否。4か月後の11月に彼の元に届いた脅迫状の入った封筒には、なんと一房の髪の毛と切り落とされた人間の耳が…!驚愕の事件の経緯は、ぜひ映画館で確認してほしい。
5番目の妻との間に生まれた息子が、12歳で急逝
ジャン・ポール・ゲティは女性関係もずさんで、結婚し、子どもが産まれるとすぐに姿を消してしまうというありさま。結果、5人の女性との間に5人の子どもをもうけたが、5番目の妻との間に生まれたティモシー・ゲティが12歳の若さで脳腫瘍で亡くなった際には葬儀にも出席しないなど、ひどい男だったようだ。
三世は誘拐犯から解放されるも、ドラッグ中毒に
10代の時に誘拐され、人生を狂わされたジョン・ポール・ゲティ三世の人生は最期まで悲惨だった。解放後、ドイツ人女性と婚約し、幸せな日々が訪れるかと思いきや、誘拐による精神的なショックからドラッグ中毒に。肝不全、脳梗塞などの合併症を発症し、視力をほとんど失うなど重度の障がいを抱え、54歳で亡くなっている。
長男はストレスで自殺、孫は原因不明の死…
ゲティの最初の妻との間に生まれた長男のジョージ・ゲティは父の後を継ぎ、会社経営を任されるが、その重圧に耐えられず、ストレスから49歳で自殺してしまう。また、4番目の妻との間に生まれたゴードン・ゲティは石油会社売却で莫大な富を得るが、その次男がハリウッドの自宅の浴室で原因不明の死を遂げている。
ゲッティイメージズの共同創業者など、成功者も
そんな不幸続きの一家であるが、呪いに打ち勝った者もいる。ジョン・ポール・ゲティ三世の兄マーク・ゲティは、写真配信大手ゲッティイメージズの共同創業者として知られ、ゲティ三世の孫バルサザール・ゲティは不倫騒動があったものの、俳優として成功を収めた。
金に囚われた大富豪一族・ゲティ家は、その末裔までが呪われた運命をたどっている。本作の事件がその“呪い”の一端にすぎないことを知ると、より興味深く観られるはずだ。
文/トライワークス