カンヌ国際映画祭閉幕、パルムドールは初のタイ作品に!
23日午後7時15分から始まったクロワチュールで第63回目のカンヌ国際映画祭が幕を閉じた。クリスティン・スコット・トーマスが司会を務め、審査員長のティム・バートンから発表された各賞は次のとおり。
●パルムドール
アピチャッポン・ウィーラセタクン監督『LUNG BOONMEE RALUEK CHAT』(原題)
●グランプリ
グザヴィエ・ボーヴォワ監督『DES HOMMES ET DES DIEUX』(原題)
●最優秀監督賞
マチュー・アマルリック監督『TOURNEE』(原題)
●審査員賞
マハマット・サレー・ハルーン監督『UN HOMME QUI CRIE』(原題)
●最優秀男優賞
ハビエル・バルデム『BIUTIFUL』(原題)
エリオ・ジェルマーノ『LA NOSTRA VITA』(原題)
●最優秀女優賞
ジュリエット・ビノシュ『COPIE CONFORME』(原題)
●最優秀脚本賞
イ・チャンドン監督『POETRY』(原題)
前評判とはかなり異なった審査員の決定だが、一般の観客にとって受けの良い作品よりも、アーティスティックな作家性、困難な製作状況を超えて作られたインディペンデント性を重視した選択である。監督の強い思い、オリジナリティのあるビジョンをすくい上げた審査員たちの勇気とアーティストとしての目をジャーナリストたちは讃えた。
「混乱の中にあるタイに、希望のあるニュースとして僕の受賞が伝わると嬉しい」とウィーラーセタクン監督。まだまだアート映画やインディペンデント映画の製作が困難な東南アジアの国々にエールを送りたいとも語っていた。
映画には希望を語る力がまだあるのである。【シネマアナリスト/まつかわゆみ】
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