アカデミー賞Wノミネート!シアーシャ・ローナンと天才監督が2人3脚で生きる“1つの人生”
本年度ゴールデン・グローブ賞でコメディ・ミュージカル部門作品賞と主演女優賞を受賞した話題作『レディ・バード』(公開中)。本作で主演を務めたシアーシャ・ローナンのインタビュー映像が到着し、演じたキャラクターについてや、自身とグレタ・ガーウィグ監督のアカデミー賞ノミネートへの想いが明かされた。
本作は、片田舎のカトリック系高校からニューヨークの大学を目指す17歳の少女の揺れ動く心情を繊細に描いた青春ドラマ。『フランシス・ハ』(12)などで知られる女優、グレタ・ガーウィグが単独での監督に初挑戦し、自伝的なエピソードを織り込んだストーリーとなっている。
インタビュー映像でシアーシャは、主人公レディ・バードのキャラクターづくりにじっくり時間をかけたことを明かした。役が決まってから撮影が始まるまでの1年は、数週間ごとにグレタと会い、何時間も話し合ったそう。シアーシャは「それでも、まだ未完成で撮影中にも新発見があったの。いまにして思えば、当然だったと思う。レディ・バードは瞬間を生きているから。私もそれに寄り添っていたのよ」と振り返る。
また、撮影中の自身については「私もレディ・バードのように率直な物言いになっていたわ!私は彼女よりもっと気弱な性格だから、自分の思うように行動する彼女を本当にすごいと思う。でも、憧れる一方でこうも思うの。私は自分をよく知っているし、主義主張を持っているわ。そのことを誇りに思っている。10代でそれを持っている人を演じられて、うれしかった」と語り、強い自我を持つ芯の通ったキャラクターと出会えたことを喜んでいるようだ。
アカデミー賞ノミネートに関する質問には「毎回違う感覚がしているわ。夢のような気持ちは毎回同じよ。でも、グレタのノミネートがハイライトだわ。史上5人目の女性の監督賞ノミネートよ!快挙を成し遂げたのが一緒に作った映画で嬉しい」と話し、チームを組んだグレタの偉業を褒め称えた。
一方、グレタもシアーシャについて、彼女以外に演じられる人はいなかったと語っている。「彼女が台詞を読みあげた瞬間から彼女がレディ・バードだと疑う余地もなかったわ。私の想像とはまったく異なり、想像を遥かに超えていた。強情でひょうきんで、わくわくさせられたの。また普遍性も、独自性も持ち合わせていたわ」。
撮影までの長期間を一緒に過ごした経験についても「このシーンでレディ・バードはなにを着るだろうかということや、レディ・バードの歩き方や座り方について、撮影が始まるまでにシアーシャに意思疎通できるようにするためよ」と説明し「彼女はリズムも感情も、私の理想通りに役柄を作りあげてくれた」とシアーシャを絶賛した。
グレタとシアーシャの熱意により、2人3脚でつくりあげられた本作。ともに女優である2人のシンパシーによって練り上げられた“レディ・バード”の抱える想いを、劇場で受け取ってほしい。
文/編集部