松田翔太と高良健吾が大ハンマーでぶっ壊したものは?

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松田翔太と高良健吾が大ハンマーでぶっ壊したものは?

青春ロードムービー『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』(6月12日公開)の完成披露試写会が6月3日に新宿ピカデリーで行われ、松田翔太、高良健吾、安藤サクラ、新井浩文、大森立嗣監督が登壇。舞台挨拶と共に、松田、高良が映画のテーマに合わせて、劇中で使った大きなハンマーによるブロック割りを披露した。

本作は、前作『ゲルマニウムの夜』(05)で高い評価を受けた大森立嗣監督の監督第2作目。安い賃金で過酷な労働を強いられている施設育ちのケンタ(松田翔太)とジュン(高良健吾)が、すべてをぶっ壊して旅に出るというロードムービーだ。松田、高良がヒリヒリするような熱演を見せ、安藤サクラはふたりが出会うブスでバカでワキガの少女カヨ役を存在感たっぷりに演じている。

主演の松田は、「これから映画をご覧になる方は、今日が思い出の日になるんじゃないかな」と、自信たっぷりに宣言。また、高良は「3人が戻る場所がない旅をします。その3人を観てください」とアピール。

ケンタとジュンをいじめる先輩役の新井は、「演じたのは、めちゃくちゃな役。でも、本当はいやな人間じゃないんで(笑)」と苦笑いすると、カヨちゃん役の安藤も「私もちゃんと言っておかないと。ワキガじゃないよって」と、おちゃめにコメント。大森監督は、「最近、ゆるい映画が多いと思うので、たまにはこういうハードでぐさっとくる映画を観てもらって」と、映画をPRした。

舞台挨拶の途中で、松田と高良が劇中で着ていたニッカボッカを持ち出し、サインをして会場の観客にプレゼントするというサプライズの演出も。その盛り上がった雰囲気の中で、いよいよ大ハンマーの“破壊”ショーが! 気合を入れてハンマーを振り上げ、コンクリートを勢いよく叩き割った松田と高良に、会場から拍手が上がる。松田は「こんな感じ。この映画でぶっ壊せたかなと思うので(笑)」と、感想を語った。

最後に、松田は「この映画は、すごくシンプルに考えてもらいたい。政治的な意味もまったくないし、僕らの感情だけで旅をするので、そこらへんを感じてほしい」と力強く語ると、大森監督は「退陣してしまった元首相もこの映画を観て、何かを感じてくれればいいなと」と、タイムリーな時事ネタがらみの言葉で締めくくった。

見終わった後、ケンタたちの魂の慟哭に思わずうなってしまう本作。松田たちキャストや大森監督の“本気”の1作をしかと受け止めてほしい。【Movie Walker/山崎伸子】

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