アイドルオタクの宇宙人を玉城ティナが熱演!20歳を迎えたいま、目指す女優像とは?
“アイドルを哲学する漫画”と絶賛され、テレビドラマ化もされた高木ユーナの人気漫画を実写化した『劇場版 ドルメンX』(公開中)。本作は、地球を汚さず、戦争もせず、地球人に気づかれることなく侵略することをたくらむ4人のイケメン宇宙人とアイドルオタクの女宇宙人がトップアイドルを目指す姿を描く。本作に登場する宇宙人唯一の女の子であり、アイドルオタクのヨイを演じた玉城ティナにインタビュー。
玉城は、初めて原作の漫画を読んだ時について「男性アイドルが物事にたいして真剣に取り組んでいく姿に心打たれて、読み進めるにつれて泣いてしまうこともありました」と語る。「“宇宙人×アイドル”と言うと、とてもキャッチーな作品というイメージがあると思いますが、その陰で見え隠れする人間臭い繊細さに、高木先生のアイドルに対する熱い思いが感じられました。いままでありそうでなかった作品なだという印象です」。
アイドル業界に飛び込んでいくドルメンXのマネージャーとして、“本気のアイドル精神”をメンバーに叩き込んでいくヨイを演じた玉城。今回演じたヨイとの共通点はどんなところにあったのか。「ヨイは好きことに対してとてもまっすぐで、柔軟性はあるんですけど、自分の根っこの部分は絶対曲げない強い子だなと思います。私はわりと飽きっぽくて、あれもこれもと少しずつかじっていくことが多いので、趣味もあまりないんです。だから、ヨイの探求心には圧倒されました。仕事への探求心は私にもあるんですけど、すべてのことに対して興味を持つヨイはすごいと思いました」。
本作で熱血宇宙人の隊長(志尊淳)、オシャレ宇宙人のイチイ(浅香航大)、フェミニン宇宙人のニイ(小越勇輝)、インテリ宇宙人のサイ(堀井新太)を演じた共演者たちの印象については「みんなピッタリの役だなと思います。小越さんにしても、ニイのキャラを強めに出してはいるけど、もともとみんなに可愛がられるタイプだし。ドルメンXはそれぞれのキャラがデフォルメされているけれど、その個性を持っている人がキャスティングされている思います。隊長だけはちょっと違うかな。志尊さんは隊長みたいにがむしゃらというより、とてもしっかりされた方で、現場でもまとめ役も担ってくれたので、私も助けられました。きっとみんなのモチベーションアップにもつながっていたと思います」。
いつもはマネジメントされる側の玉城だが、ヨイとしてマネジメントする側を演じ、感じたこともあったそう。「自分自身をマネジメントする側から俯瞰して見るということも大事だなと思っています。本作では、結構本気でドルメンXのマネジメントプランを考えちゃいました(笑)。ヨイはマネージャーとしてドルメンXのみんなの手助けをしていくんですけど、ヨイはストレートに思っていることを言っちゃうんです。その関係性には、みんなと過ごしてきた時間というものが反映されているんじゃないかなと思います。みんなのことを分かっているからこそ、出てくる言葉なのかなと」。
ヨイの衣装の可愛さも、本作の見どころのひとつだ。モデルとしても活躍中で、私服も「まねしたい」という女子があとを絶たない玉城。本作の衣装にも、玉城の意見が反映されているそう。「衣装合わせのときに監督や女性のスタッフさんと一緒に相談して決めていきました。隊長の服装がいつも全身真っ黒なので、ヨイの衣装は原色や柄物を多く取り入れるようにしました。 ヨイの衣装は原色や柄物を多く取り入れるようにしました。ダボっとしたパンツをよく履いていたんですが、ユルい見た目なのにすごく熱い心を持っている元気なヨイっていいな、と思っていました」。
現在20歳の玉城だが、演じたヨイは宇宙人で歳を取らないという設定。本人に、年齢を重ねることについて聞いてみると「見た目は変わらないんですよね?それならこのままがいいかな」と笑顔を見せる。「内面の成長はプラスしていけるんだったら、年は取りたくないかも。私はそんなに見た目は変わらないタイプなんだって思い込むことにします(笑)!歳を取らなくなるなら、20歳はまだ早いかな。25歳とか、20歳と大人の間の良いバランスの年齢で止まりたいですね」。
本作ではアドリブのシーンが多かったそうで、「みんなのアドリブに笑いをこらえるが大変でした(笑)」という。「志尊さんとか堀井さんは撮影中に急にアドリブを入れてきたりしたんですが、それが本編でも採用されていたりして、みんな振り幅や想像力が豊かだなと尊敬しました。肩の力を抜いていたほうがアドリブはおもしろいと思うので、今後に生かします!」。
そんな玉城に、今後目指していきたい女優像を教えてもらった。「お芝居のなかでの会話は、わりとリアクションによって成立していると思っているので、相手の話をちゃんと聞ける女優さんになりたいなと思います。1人で目立っていても、画面では不自然に映ってしまうので、自然に私のビジュアルやキャラクターが、作品に馴染むようになればいいなと思っています。いままでは学生の役が多かったですが、最近やっと20代の役も増えてきたので、いろいろな役にチャレンジしていきたいです」。
文/編集部