実在する幽霊屋敷“ウィンチェスター・ミステリー・ハウス”で映画を撮影!目撃情報が続々

インタビュー

実在する幽霊屋敷“ウィンチェスター・ミステリー・ハウス”で映画を撮影!目撃情報が続々

マイケル&ピーター・スピエリッグ監督にインタビュー!
マイケル&ピーター・スピエリッグ監督にインタビュー!

カリフォルニア州に実在する幽霊屋敷“ウィンチェスター・ミステリー・ハウス”をご存知だろうか。館の主だったサラ・ウィンチェスター夫人によって、38年間、365日、24時間、絶え間なく増改築され続けた、なんとも摩訶不思議な屋敷で、幽霊の目撃情報も多数。世界中のミステリーファンの好奇心をくすぐりまくっている。そんななか、この屋敷を舞台にした映画『ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷』(6月29日公開)が登場。実際のウィンチェスターハウスでも撮影を敢行したそうで、マイケル&ピーター・スピエリッグ監督は「不気味な雰囲気が漂っていたよ」とニヤリ!気になる撮影秘話に迫った。

本作のヒロインとなるのは、サラ・ウィンチェスター夫人。娘と夫を次々と亡くし悲しみに暮れたサラは「亡霊から逃れるため」との理由から、莫大な資産を注ぎ込んで屋敷の増改築を続けていた。彼女を調査するために送り込まれた精神科医・エリックは、次第に怪奇的な現象に苦しめられていく…。

メガホンを取ったのは、「ソウ」シリーズの最新作『ジグソウ:ソウ・レガシー』(17)も手がけた双子の兄弟マイケル&ピーター・スピエリッグ監督。2年間にわたり、何度もウィンチェスターハウスを訪れてリサーチを重ねたというが、マイケルは「有名な観光地にもなっているんだけれど、実際に訪れると圧倒されるよ。ユニークで奇妙。僕は“怖い”と感じるよりも、まずその美しさに驚いたんだ」と大いに魅了されたことを告白。「ただ夜に訪れた時は、やっぱり怖かった。ドギマギしちゃったよ(笑)」。

屋敷に魅了されると同時に、建築主であるサラにも惹かれたという。マイケルは「歩いて行ってもどこにもたどり着かない廊下、開けても壁にぶち当たるだけのドアや異常に小さなドア…。屋敷の内部はとにかく奇妙なんだ。案内人がいないと迷ってしまうくらいで、まるで迷路のよう。これはサラが設計図も書かずに、気が向くままに建築を続けていった結果なんだ」とサラの建築センスに驚愕。

ピーターは「そんなことを続けているサラだから、周囲の人は彼女の精神状態を心配していく。実際『大丈夫か?』と思っていた人も多いようで、それが脚本づくりにものすごく影響したよ。僕たちは屋敷だけでなく、サラの歴史にも圧倒されてしまったんだ」とミステリアスなサラの人物像に迫るように、脚本作りを進めていったという。

【写真を見る】実在する幽霊屋敷の謎に迫る!ヘレン・ミレンの圧倒的存在感にも驚愕
【写真を見る】実在する幽霊屋敷の謎に迫る!ヘレン・ミレンの圧倒的存在感にも驚愕[C]2018 Winchester Film Holdings Pty Ltd, Eclipse Pictures, Inc., Screen Australia and Screen Queensland Pty Ltd. All Rights Reserved.

サラを演じたのは、ハリウッドの大女優ヘレン・ミレン。ホラー映画は初挑戦となる彼女が、サラの強さと切なさを見事に体現している。ピーターは「ヘレンは、僕たちの撮った『プリデスティネーション』のファンだったんだ」とうれしそうにコメント。「ヘレンがサラ役を引き受けてくれたことが、この映画にとってのターニングポイントになった。資金集めも楽になったしね(笑)」。

マイケルは「人としても役者としてもすばらしい人だよ。大変だったのが、ヘレンがなんでもやろうとすること。サラが壁にぶつかっていくシーンがあるんだけれど、そこはスタントを使うことになっていて。それでも『私、やるわよ』というから、こっちは止めるのに必死(笑)。ものすごくステキな女優だよ」とヘレンの女優魂に感服していた。

一部のシーンは実際のウィンチェスターハウスを使用して撮影した
一部のシーンは実際のウィンチェスターハウスを使用して撮影した[C]2018 Winchester Film Holdings Pty Ltd, Eclipse Pictures, Inc., Screen Australia and Screen Queensland Pty Ltd. All Rights Reserved.

オーストラリアのスタジオにウィンチェスターハウスを再現したほか、一部のシーンは実際のウィンチェスターハウスを使用して撮影した。マイケルもピーターも「自分自身は、幽霊の存在については懐疑的」というが、ウィンチェスターハウスで奇妙な現象に遭遇したことはあったのだろうか?マイケルは「やっぱりおかしな空気を感じることはあったよ。外の気温に関わらず、屋敷のなかは常に寒かったり…。夜の撮影は本当に不気味だった」。

さらに「スタッフからの幽霊目撃情報はたくさん報告を受けたよ。地下室や屋根裏部屋で見たという人が多かった。確かめたかったら、実際に自分で訪れてみるのがいいよ」と現地訪問をオススメしていた。まずは本作で、サラと屋敷の不思議な魅力に触れてみてほしい。

取材・文/成田 おり枝

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