渡辺大、川村ゆきえとの初の絡みのシーンにちょっぴり罪悪感!?

インタビュー

渡辺大、川村ゆきえとの初の絡みのシーンにちょっぴり罪悪感!?

三億円略奪事件の真相に迫る野心作『ロストクライム 閃光』(7月3日公開)で主演を果たし、奥田瑛二と堂々渡り合った渡辺大を直撃インタビュー。父・渡辺謙ゆずりの精かんなマスクと長身の正統派二枚目スターだが、その素顔はサービス精神旺盛の“二枚目半”で好感度も“大”。本作で男くさい熱血刑事・片桐に扮し、“男の業”を体現した彼が、役作りから気になる絡みのシーンまでたっぷりと語ってくれた。

奥田瑛二扮する古参の刑事と共に、三億円事件の裏に隠された“闇”を追っていく片桐。彼が正義感に満ちたステレオタイプの好青年ではなく、出世欲も人並みにある青くさい若者という設定に共感が持てる。「普段、真面目な役、純粋で一直線みたいな役が多くて、ちょうどいろんなパターンの役をやってみたいと思っていた時期でした。そんな中、片桐のような、男の業を詰めたみたいな役をこの年で演じられたことはよかったかなと。大先輩に向ってつばを吐いたり暴れたりするんですから」。

今回は、川村ゆきえ扮する元風俗嬢の同棲相手との絡みのシーンにも初めてトライした。「いや〜、苦手(苦笑)。異性との絡みは難しいですね。なんか素の自分を見られているようで、恥ずかしいんです。熱中しすぎると、ああいうのって若干本能に近くなる。芝居じゃなくなってくるので、俄然、恥ずかしくなるんですよ」。

川村ゆきえとどんなやりとりがあったのかも気になるところだ。「彼女は人見知りなので、最初から色々しゃべったりとか、お互いの共通する趣味とかを話したりして距離を縮めていきました。後半はノリノリでしたね。台本にないこともやってくれたりしたので。楽しく遊んでくれたから本当に助かりました。でも、彼女ってすごく人気のあるグラビアアイドルでしょ。『いいのかな、嫁入り前なのに』という罪悪感に駆られつつ、やってました。まあ、役得ですが、この映画が公開されたら僕、殺されるかも。夜道を歩くのは、気をつけようかと」と、おちゃめに笑う渡辺。

本作で演じた片桐については、こう語る。「なんか憎々しいですよね。食ってるシーンとか、やってるシーンとか。寝てるシーンはないにしても、人間の三大欲求の最たるものをやってる。人間の業ですよね。今の作品はこぎれいなのが多いですが、これは1回ドロつけて食え、みたいな映画で。そこに僕が参加できたのは本当に嬉しかったです。僕はこぎれいなのよりも、ド汚いのが好きなので」。

最後に、これから目指す俳優像について聞いてみた。「まだ8年しか俳優をやっていませんが、この身が続く限りはやっていきたいと思っています。ドラマもサスペンスも何もかも、興味のあるものすべてに触手を伸ばし、それらをきちんと重ねていくことで、人生でも多くのものを得られるんじゃないかなと。短い一生の中で、どれだけ密度の濃い人生を生きられるか、いろんな体験ができるかですよ。役者って、人生経験が裏打ちされてできるものだから」。

25歳にしてすでに達観しているような人生観は、プライベートでは2児の父親でもあるからなのか。茶目っ気あふれるトークの中にも、骨太な役者スピリットが感じとられ、実に頼もしく感じた。そんな渡辺大が新境地を開拓した本作で、片桐刑事と彼自身の成長も見届けてほしい。【Movie Walker/山崎伸子】

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