巨大サメが世界を喰らう!『MEG ザ・モンスター』が世界的ヒットを記録したワケ

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巨大サメが世界を喰らう!『MEG ザ・モンスター』が世界的ヒットを記録したワケ

米ウェブサイト「Box Office Mojo」によると、8月10日に公開された海洋パニック映画『MEG ザ・モンスター』(日本9月7日公開)の北米週末興行収入が、4540万ドル(約50億円)を突破し、初登場首位となった。同作に続き2位になったのは、前週トップだった『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』(公開中)で、興収は1935万ドル。3位はディズニーの『プーと大人になった僕』(日本9月14日公開) の1290万ドルと、超大作を相手に大奮闘。

また、同作は8月17日~19日の2回目の週末も客足を維持。約2100万ドルを稼ぎ、米国内の累計興行収入は早くも約8400万ドルに達しており、一般的に、成績が初動に偏りがち=男性の固定ファンが多いといわれるモンスター映画、パニック映画としては異例のヒットを記録中だ。

エンタテインメントアナリストのほとんどが『MEG ザ・モンスター』の週末の興収は3000万ドル(約33億円)以下になるだろうと想定していたため、驚きの結果となった。ハリウッドと中国の合作である本作は、中国でも初週末だけですでに5070万ドルの収入があり、同時期に本作を公開した42か国をあわせると、週末だけで世界で1億4690万ドル(約163億円)というメガヒットとなった。

『MEG ザ・モンスター』は、絶滅したはずの古代の巨大サメ、メガロドン(通称「メグ」)が目を覚まし、深海レスキューダイバーらが戦いを繰り広げるというストーリー。出演はジェイソン・ステイサム、リー・ビンビン、レイン・ウィルソン、ルビー・ローズ、ウィンストン・チャオ、クリフ・カーティス。『MEG ザ・モンスター』は、ステイサムの主演作品では、早くも最も興行成績が良い作品となった。

『シャークネード』(13)のようなハリウッドのB級映画に、製作費1億5000万ドルを与えたらどうなるだろうか?と心待ちにしていた映画ファンからは「内容がPG-13(R指定未満の、子供でも観られるレイティング)すぎる」と落胆の声もあり、映画の評価を集積するサイトRotten Tomatoesでの評価は48%といまいち。(米国時間20日時点)

本作は「グラヴィティ・ピクチャーズ」 など、中国の会社が製作費の大半を出費していることもあり、中国マーケットに受け入れられやすいよう、制作時点で工夫がなされている。国家による厳しいガイドラインのもと公開する映画を厳選する中国市場を考慮し、残酷な演出にも制限があったのだろう。

中国は、いまや米国に次ぐ世界2位の映画市場だ。今後大手映画スタジオが中国からの出資を受け入れるにつれ、ますます作品の内容や演出にも「中国」が感じられる作品は増えて行くだろう。『MEG ザ・モンスター』の日本公開は9月7日(金)だ。

LA在住/小池かおる

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