“ひふみん”も登場!『泣き虫しょったんの奇跡』公開直前イベントに豪華メンバー集結

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“ひふみん”も登場!『泣き虫しょったんの奇跡』公開直前イベントに豪華メンバー集結

大きな挫折を乗り越えてプロ棋士になる夢を叶えた瀬川晶司五段の実話を、松田龍平主演で映画化した『泣き虫しょったんの奇跡』(9月14日公開)の公開直前イベントが27日、東京・よみうりホールで開催。主演の松田を筆頭に、永山絢斗、渋川清彦、駒木根隆介、新井浩文、早乙女太一ら豪華キャストに加え、豊田利晃監督、原作者の瀬川五段、佐藤天彦名人が登壇。息の合ったトークで盛り上げる中、サプライズゲストとして加藤一二三九段が登場すると、会場はさらに大きく沸き立った。

本作は年齢の壁にぶつかりながらも偉業を成し遂げた男のサクセスストーリー。中学3年生で新進棋士奨励会に入会した“しょったん”こと瀬川晶司は、26歳の誕生日までに四段に昇段しなければ退会させられてしまう「鉄の掟」に直面し、あっけなく夢が絶たれてしまう。やがてサラリーマンとして暮らすようになったしょったんは、アマ名人になっていた親友らに支えられ、再びプロ棋士を目指すことに。

『青い春』(02)と『ナイン・ソウルズ』(03)、『I’M FLASH!』(12)に続き豊田監督と4度目のタッグとなる松田は冒頭の挨拶から、じっくりと溜めて「…ありがとうございます!」と喜びをあらわに。撮影時の印象的なエピソードを訊かれ「監督がたまに台本にない台詞を足してくるので、アドリブでリアクションするのが楽しかった」と振り返ると、豊田監督から「龍平、今日は一段とテンションが低いですね」とツッコミが。すると松田は「私事ですけど1時間しか寝てないので…」とつぶやき、両隣にいた永山と渋川に「助け舟出して」と頼る。

頼られた渋川は「監督が台詞にないことを本番前に耳元で囁くんですよ」と、松田と同じエピソードを語り笑いを誘うと「永山と染谷に違うことを言わせたのを自分が止めるシーンで、自分が笑っちゃって上手くいかなかったんです」と明かす。それを聞いた駒木根から「変な空気が巻き起こっているのを感じていました」と、個性豊かなキャスト陣の仲睦まじいトークに、会場からは終始笑いが絶えなかった。

そんな中 “ひふみん”こと加藤九段の名前が呼ばれると、会場からはどよめきにも似た歓声が。松田に花束を進呈した加藤九段は、8年前の現役時代には本作のモデルとなった瀬川五段と対局したことも。「すばらしい映画で感動しました。私の人生に共通している点が多々ありました」と本作を観た感想を熱く語る加藤九段。

そして瀬川五段との対局について「昨日もその将棋を振り返っていた。第1局で見事な頑張りを見せられて、瀬川さんってさすがに強いだなと感心してたら第2局で完敗いたしました」と振り返り、瀬川五段の強さについて熱弁を振るう加藤九段。そのまま話が止まらなくなって制止される一幕も。お茶目な一面を見せて会場を爆笑の渦に包んだ加藤九段に、瀬川五段は「伝説の先生なので、初めて対局するときは心が躍ったことをよく覚えています」と深々と敬意を表した。

取材・文/久保田 和馬

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