『ラ・ラ・ランド』のコンビがふたたび!『ファースト・マン』がヴェネチアでついにお披露目
第89回アカデミー賞で最多13部門14ノミネートを獲得し、監督賞を含む6部門に輝いた『ラ・ラ・ランド』(16)のデイミアン・チャゼル監督と主演ライアン・ゴズリングがふたたびタッグを組んだ最新作『ファースト・マン』(19年2月公開)のワールドプレミア上映が、現在開催中の第75回ヴェネチア国際映画祭のオープニングを飾った。
人類初の月面着陸を成し遂げたアポロ11号の船長、ニール・アームストロングを題材にした本作。アームストロング役をライアンが演じ、その妻ジャネット役には「ザ・クラウン」でゴールデン・グローブ賞を受賞したクレア・フォイ、宇宙飛行士エド・ホワイト役にジェイソン・クラーク、その妻バット役にオリヴィア・ハミルトンなど、豪華俳優陣が共演。さらに脚本を『スポットライト 世紀のスクープ』(15)のジョシュ・シンガーが担当している。
現地時間29日に行われた公式記者会見には、世界各国からマスコミ陣が殺到し、会場は瞬く間に満席に。大きな歓声に迎えられながら、チャゼル監督とライアンらスタッフ・キャストが一堂に会した。「月面着陸を象徴的な画像や断片的な映像でしか知らない世代としては、簡単にできたことだと感じてしまうが、実際はそうではない。実現までの道のりを段階的に描きたかった」と、チャゼル監督は本作製作の経緯を明かす。
また、役作りのためにアームストロングの家族や幼なじみに会ったり、飛行機の操縦法を身につけたというライアンは「アームストロングは知識を向上させるために命がけでテスト飛行に臨める特殊な人。自分には到底できない。その違いを認識することが重要だった」と、歴史上の偉人を演じる上での難しさを語った。
会見の後行われたワールドプレミア上映も大盛況。上映直後から絶賛評が相次ぎ、北米最大のレビューサイトRotten Tomatoesでは92%フレッシュを獲得。はやくも来年のアカデミー賞の最有力候補と注目される本作が、土壇場で頂点を逃した『ラ・ラ・ランド』の雪辱を晴らすことに期待したい。
文/久保田 和馬