本田翼の主演作に文学界&映像界の俊英が集結。橋爪駿輝×松本花奈の才能が光る!
文学界の俊英・橋爪駿輝と、現役女子大生にして映像界をにぎわす松本花奈監督がタッグを組んだ映像「ファン」がYoutubeで公開された。みずみずしい筆致、作風を持つ2人のコラボレーション作品で主演を務めるのは本田翼だ。原作は橋爪の小説「楽しかったよね」に所収された一編「ファン」。青春の終わりを描いた本作を、松本が繊細かつ美しい映像に仕上げた。
映像では、原作には存在しない“A”という人物 (本田翼)が、どこかの学校にある陽だまりの放送室で、とある女子高生・堀江光の言葉を語り始める。「わたしには友達がいないの」その言葉に憑かれるように、“A” は堀江光という生徒の高校生活をたどり、他生徒の日常が徐々に交錯していく中で、いじめを受けながら、それでも二度とは戻れない青春への想いが明らかになっていく。
“A”を演じる本田翼は、堀江光の静かに、しかし激しくもがいている言葉と一体化していく様を演じた。本作は春と夏の間の季節に撮影したそうで「季節の曖昧さと主人公の心の揺れが絶妙にマッチしていた」と本田は振り返る。ほかにも、片山友希をはじめ、石橋侑大、中山雄斗、會田海心、古川琴音、白戸達也など、新時代の若手キャストたちが作品を彩った。
監督を務めた松本花奈は、弱冠20歳にして数々の映画祭に作品を出品、ゆうばり国際映画祭などで受賞した注目の若手。実写化にあたって「堀江光という1人の少女の個人的な悩みや感情を、エンタテインメントとして魅せるにはどうしたら良いか考えた」と明かした。
原作の橋爪駿輝は、「スクロール」でデビューするや、飯豊まりえや成田凌ら、俳優たちからも絶賛の声を寄せられた話題の新人。映像化された「ファン」収録の「楽しかったよね」は第2作目にあたる。自著の映像化について橋爪は「とても繊細で、何かがズレていれば簡単に崩壊してしまうような、それほど絶妙な作品」と語ったうえで、「皆さんで小説を素晴らしい映像作品にして下さったことに感激しています」と絶賛した。
たった9分の映像ながら、本田の熱演により見知らぬ女子高生の繊細な言葉に心を揺れ動され、過ぎてしまった青春や感情までも思い出させる本作。これからの活躍に期待がかかる若手才能の集結に注目てほしい。
文/編集部