安田顕、北海道・室蘭の父親に感謝「さすが、オヤジ」
新井英樹の人気コミックを映画化した『愛しのアイリーン』(公開中)の公開記念舞台挨拶が9月15日にTOHOシネマズ シャンテで開催され、安田顕、木野花、伊勢谷友介、吉田恵輔監督、原作者の新井英樹が登壇。安田が故郷・北海道の父親に「さすが、オヤジ」と感謝の言葉を語った。
本作は、40代男の岩男とフィリピン人女性・アイリーンとの国際結婚が巻き起こす騒動を描く人間ドラマ。
本作について「代表作になるかもしれない」と並々ならぬ想いを吐露した安田は、「撮影が終わった時の手応えというか、現場の雰囲気や熱は『こういうことを経験したことはなかったかもな』と思うものだった」としみじみ。吉田監督が「連載は95年。僕の人生で1番、衝撃を与えた作品」と話す原作を手がけた新井も、「漫画は自分の子どものようなもの。映画は孫を見る目で見ちゃっている。猫可愛がりしている状態。本当にすばらしい出来。もう7、8回観ている」と深い愛情を語っていた。
原作は「愛なんて誰が見たことあるの?」という新井の抱く疑問から生まれたとのことで、この日は「愛の定義とは?」との質問が登壇者陣に投げかけられた。安田は「『あ、これは愛かな』と思ったのが、北海道のススキノで停電がひどかった時に」と6日未明に地震が起きた故郷について言及。「風俗店でお風呂を無料開放したと。あれは愛じゃないですかね。無償の愛だと思います」と驚きと共に語っていた。
また最後の挨拶では「これからこの映画は始まりますが、自分のなかで終わってしまうようでさみしい」と打ち明けた安田。「昨日、オヤジが観てくれた」と北海道に住む父親がすでに映画を鑑賞してくれたそうで、「室蘭に住んでいるんですが、こういった状況のなかで映画館に足を運んでくれた。本当にありがたい限り」と感謝の言葉。「『すごい映画でした』と感想をくれた。『おもしろい』とか『楽しい』とか『優しい気持ちになりました』とかではなくて、『すごい映画でした』という言葉をいただきました。さすが自分のオヤジだなと。息子の私も同じことを考えた」とうれしそうな笑顔を見せていた。
取材・文/成田 おり枝