新進気鋭スタジオ“A24”がヒットを断言!異例の大絶賛コメントを独占入手
第71回カンヌ国際映画祭でコンペティション部門に出品されたデヴィッド・ロバート・ミッチェル監督が放つ珠玉の新感覚青春サスペンス『アンダー・ザ・シルバーレイク』が10月13日(土)から全国順次公開となる。このたび本作の北米配給を手掛けた気鋭の映画会社A24が、若き鬼才ミッチェル監督の類稀なる才能について語った。
本作は、サスペンスの神様アルフレッド・ヒッチコックやミステリー映画界の鬼才デヴィッド・リンチをはじめ、あらゆるカルチャーが交錯していく野心作。LAの高級住宅街に暮らすサムは、向かいに住む美女サラに一目惚れ。ところが翌日、彼女は忽然と消えてしまう。もぬけの殻になった部屋に奇妙な記号を見つけたサムは、そこに陰謀の匂いを嗅ぎとり、シルバーレイクの街にはびこる深い闇へと迫っていく。
2012年8月に設立したA24が注目を集めるようになったのは2014年。『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』(14)が各批評家賞で大絶賛を集め『アメリカン・ドリーマー 〜理想の代償〜』(14)が賞レースの開幕を告げる重要な前哨戦ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞の作品賞をサプライズで受賞したことに始まる。翌年には『ルーム』(15)がアカデミー賞の主要部門で善戦を繰り広げ『エクス・マキナ』(15)が並みいる強豪を退けアカデミー賞視覚効果賞を受賞。
たちまちA24が配給する作品に世界が注目するようになったまさにその年、『ムーンライト』(16)がアカデミー賞作品賞を受賞。設立からわずか4年半で映画界の頂点へとのぼりつめたのだ。そして今年発表された第90回アカデミー賞でも『レディ・バード』(17)が主要5部門にノミネートされるなど、いま最も勢いに乗っているインディペンデント・スタジオといっても過言ではない。
一方でミッチェル監督といえば、若者たちのひと夏を描いた青春映画『アメリカン・スリープオーバー』(10)で成功を収め、続く『イット・フォローズ』(14)では全米で4館から1600館へ異例の拡大公開となるなど社会現象級のヒットを巻き起こした逸材。そんなミッチェル監督について、A24は公式に「彼は間違いなく才能があるし、私たちは彼と一緒に働くことを熱望していました」と、その手腕を絶賛するコメントを発表した。
「僕はいろいろなことを書くんだ。様々なジャンルの脚本をたくさん書いてあって、さらに探求しながらいろいろな種類の映画を作りたいと思う」と語るミッチェル監督。そして「僕は映画の大ファンなんだ。映画の歴史から少しずつ色々なものを持ってきて、そこに僕自身の考えを加えて新しいものを作る。僕は自分が作らなければこの世に存在しないかもしれないものを作ることに対して強い情熱を持っているんだ」と映画作りに対する熱い情熱をのぞかせた。
そんな姿勢にA24は「信じられないほど素晴らしいスタイルとビジョン」であると惚れ込み、本作の北米配給が決定。北米では12月から公開されるが、日本はそれよりも早く公開を迎える。「『アンダー・ザ・シルバーレイク』が、日本で話題になることは間違いない」とA24は自信たっぷりに断言。「日本でどのような評価を受けるのかを見ることは興味深いし、とても楽しみにしています」と期待を寄せた。
もちろん本作は、第91回アカデミー賞に向けてA24が送り出す作品のひとつ。他にもA24からはトロント国際映画祭でプレミア上映され大絶賛を勝ち取ったジョナ・ヒル監督作の『Mid90s(原題)』や、ポール・シュレイダー監督の力作『First Reformed(原題)』、サンダンス映画祭で注目を浴びた『Eighth Grade(原題)』などが賞レースへ名乗りをあげている。まもなく本格化する賞レースから目が離せなくなりそうだ。
また、日本でもこの秋はA24作品が続々と公開される。ケイシー・アフレックとルーニー・マーラ共演の『A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー』(11月17日公開)や、極限の心理スリラー『イット・カムズ・アット・ナイト』(11月23日公開)、そして『ヘレディタリー/継承』(11月30日公開)など、他のスタジオ作品では味わえないほど強烈な個性が炸裂した傑作ばかり。是非とも「A24」というスタジオの名前を覚えて、今後の充実した映画鑑賞の参考にしていただきたい。
文/久保田 和馬