生田斗真が次代を担う才能にエール!「近い将来、必ずみなさんの時代がくる」|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
生田斗真が次代を担う才能にエール!「近い将来、必ずみなさんの時代がくる」

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生田斗真が次代を担う才能にエール!「近い将来、必ずみなさんの時代がくる」

東京・京橋の国立映画アーカイブにて現在開催中の第40回ぴあフィルムフェスティバルで20日、これまで黒沢清や塚本晋也など数多くの映画監督を輩出してきた映画界の登竜門「PFFアワード2018」の表彰式が行われた。

個性豊かな入選18作品の中から「審査員特別賞」3作品と「準グランプリ」「グランプリ」各1作品を決定する最終審査員を務めたのは、映画プロデューサーの佐藤公美、昨年スマッシュヒットを記録した『勝手にふるえてろ』(17)の大九明子監督、PFF出身で『BLEACH』(18)などで知られる佐藤信介監督、『素敵なダイナマイトスキャンダル』(18)の冨永昌敬監督、俳優として活躍する生田斗真の5名。

2018年の自主映画の頂点に立つグランプリを受賞したのは工藤梨穂監督の『オーファンズ・ブルース』。記憶が欠落する病を抱える主人公のエマが、友人らとともに行方不明の幼なじみを探すロードムービーだ。工藤監督は壇上に上がると「私は映画で希望を映したい。それが受け入れられたということが本当にうれしいです」と喜びの涙を流しながらスピーチ。

授賞式の最初に発表された「ひかりTV」賞も合わせて受賞した工藤監督は、同賞のスピーチで「これが遺作だという気持ちで製作したので嬉しい」と語っており、グランプリのプレゼンターを務めた生田から「今後の監督の作品も絶対に観たいと思っています」と温かい言葉をかけられる一幕も。

準グランプリを受賞したのはアニメーション作品『ある日本の絵描き少年』。同作を手掛けた川尻将由監督は、約4年がかりで製作した本作について「作ろうと思っては自信をなくして、軽い鬱みたいな時期が続いた。この作品はそういう人のためにある。どんな作品でも価値があると、この作品で言いたかった」とスピーチ。プレゼンターを務めた佐藤からも「テクニックと卓抜したユーモア。どうしてもこの作品に賞を与えることを抑えられなかった」と激賞のコメントが寄せられた。

また、審査員特別賞には「誰にも役に立たない映画だけ作っていこうと思ったのに、ちょっと役に立っちゃいました」とぶっきらぼうながらもユーモラスなコメントで会場を沸かせた池田昌平監督の『川と自転車』、「今日受賞できないと思っていたので本当に予想外です」と喜びを爆発させた道本咲希監督の『19歳』、映画ファン賞(ぴあニスト賞)も合わせて受賞した石井達也監督の『すばらしき世界』の3作品が輝いた。

529本の応募作品の中から実写映画からアニメーション、ドキュメンタリーなどバラエティに富んだ18作品が選出された「PFFアワード2018」。昨年のグランプリ受賞作『わたしたちの家』(17)はその後ベルリン国際映画祭をはじめ世界中の映画祭を沸かせ、また観客賞を受賞した『あみこ』(17)はポレポレ東中野でレイトショー上映が行われ連日立ち見客が殺到し、22日(土)からの再上映も予定されている。今年の受賞作も今後日本のみならず世界中の映画ファンを熱狂させることだろう。

授賞式終盤の講評で生田が「近い将来、必ずみなさんの時代がくると思います。その時代に僕も乗り遅れないように頑張っていきますので、日本のエンターテインメントを背負っていきましょう!」と語ったように、今後の日本映画界を担っていくであろう若手監督たちの活躍に期待したい。

今年の受賞作は21日(金)と22日(土)に第40回ぴあフィルムフェスティバルで上映されるほか、グランプリを受賞した『オーファンズ・ブルース』は10月25日(木)から開催される第31回東京国際映画祭でも上映される。この機会に、新たな才能に出会ってみてはいかがだろうか。

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