ネタバレ注意!『アンダー・ザ・シルバーレイク』をオカルト視点から都市ボーイズが徹底解説

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ネタバレ注意!『アンダー・ザ・シルバーレイク』をオカルト視点から都市ボーイズが徹底解説

失踪した美女はいったいどこへ…主人公のサムがたどり着いた答えとは
失踪した美女はいったいどこへ…主人公のサムがたどり着いた答えとは[c]2017 Under the LL Sea, LLC

新感覚のホラー映画『イット・フォローズ』(14)のデヴィッド・ロバート・ミッチェル監督が放つ最新作『アンダー・ザ・シルバーレイク』(公開中)が公開された。舞台はLAの北西部に位置するシルバーレイク。アンドリュー・ガーフィールド演じる主人公のサムは、ひと目惚れした隣人・サラの失踪をきっかけに暗号や都市伝説の知識を駆使して彼女の行方を追う。本作の脚本にはサブカルチャーや暗号解読、都市伝説などをふんだんに盛り込まれており、観るたび発見がある。そんなリピート欲を誘う本作について、都市伝説やオカルトにまつわるトークを様々なメディアで配信している若手放送作家コンビ、都市ボーイズの岸本誠と早瀬康広が徹底解説!劇中に登場する様々な謎について、独自の見解を語ってくれた。

都市伝説やオカルトならこの2人にお任せ!都市ボーイズが本作を徹底解説
都市伝説やオカルトならこの2人にお任せ!都市ボーイズが本作を徹底解説

※物語の核心に触れる内容を含みます。映画鑑賞後にお読みいただくことをオススメします。

主人公の自堕落な生活の原因はコレ?早逝した大物スターたちの総称 “27クラブ”

落書きを消す女性が着ていたのは“27クラブ”のメンバー、ジム・モリソンのTシャツ!
落書きを消す女性が着ていたのは“27クラブ”のメンバー、ジム・モリソンのTシャツ! [c]2017 Under the LL Sea, LLC

岸本「アンドリュー・ガーフィールドが演じている主人公・サムの部屋に、カート・コバーンのポスターが貼られているんです。それを見て、27歳で亡くなった才能あるミュージシャンやアーティスト、俳優たちの総称“27クラブ”を暗示しているのかなと思いました。冒頭、カフェの窓を拭いている女の子が着ていたのがドアーズのジム・モリソンのTシャツで、そのあとにポスターも出てきたので、もしかして…と。2人とも“27クラブ”のメンバーだと言われているんです」

早瀬「カート・コバーンが薬物を服用し、ショットガンで自分の頭を撃ちぬいて亡くなっているのが見つかったあと、彼の母親は『だから私は“27クラブ”に入るなと言ったのよ』と言っていたらしいです。2011年に亡くなったエイミー・ワインハウスも『“27クラブ”に入るのが怖い』と、まるで本当にそんなクラブがあるかのように言っていたとか」

岸本「LAには有名になってやろうという人たちが集まってきますが、27歳までになにも成し遂げられなかった人が “自分は選ばれなかった人間なんだ”と感じてしまう。おそらく27歳を超えているサムも夢に破れ、“27クラブ”に選ばれなかった虚無感から、自堕落な生活をしていたんじゃないかな」

音楽業界を牛耳る男と関係する“フクロウのキス”

サムが愛してきた名曲はすべてこの男が作った?音楽業界を牛耳る謎の男
サムが愛してきた名曲はすべてこの男が作った?音楽業界を牛耳る謎の男[c]2017 Under the LL Sea, LLC

早瀬「劇中、シルバーレイクについての陰謀論を唱えていた都市伝説マニアの男は『剥製のフクロウの仮面をつけた裸の女性の姿をしていて、男性、女性問わずに誘惑したのち、寝ている間に殺す魔物“フクロウのキス”は、古くから続くアメリカのカルト集団の一員ではないのか』と言及していましたが、アメリカの先住民のあいだでは、もともとフクロウは死の象徴として忌み嫌われていたんです。また、歴史的事実を多く言い当てたと言われているホピ族という部族がいるのですが、彼らの意思を継いでいるカルト集団はアメリカにたくさんいるので、“フクロウのキス” はそのなかの1つなのではないかなと」

1ドル札に隠され秘密結社のマーク
1ドル札に隠され秘密結社のマーク[c]2017 Under the LL Sea, LLC

岸本「『“フクロウのキス”がすべてを統治している』という台詞や、1ドル札に隠されたフクロウの絵柄などを見て、“フクロウのキス”は秘密結社“イルミナティ”のことを暗喩しているのかなとも思いました。しかも、のちのち出てきた“音楽業界を牛耳る老人”という怪しい男にも関係がありそうなんですよね」

早瀬「“27クラブ”のメンバーは、悪魔に魂を売った代わりに売れたというようなことはよく言われています。ある1人のものすごいプロデューサーがいて、その人が“悪魔”なんだと。その人と契約しないと音楽業界では大成しないというような具合に」

岸本「それが本作に出てきた“音楽業界を牛耳る老人”のことなのかもしれませんね。彼と“フクロウのキス”も何らかの関係がありそうでしたが、明確な答えは出なかったですね(笑)。ちなみに、パッヘルベルの『カノン』で使用されたコード進行“カノンコード”を使うと曲が売れるという都市伝説があります。それにいちはやく気付いた人がいて“カノンコード”をうまく使ってヒット曲を生みだしてると言われているんですよ」

●都市ボーイズ プロフィール
若手放送作家の岸本誠と早瀬康広が気の向くままに都市伝説やオカルトの活動をしていくためのユニット。都内でのトークイベント出演やポッドキャスト『都市伝説 オカンとボクと、時々、イルミナティ』やインターネット放送局 K'zStationで『都市伝X』を配信中。
Twitterアカウント:@nishimako0928

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